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個人情報保護

個人情報と特定個人情報の違い

Last Updated on 2023年10月26日 by

個人情報について

個人情報とは

個人情報の定義は個人情報保護法に定められています。

個人情報保護法において「個人情報」とは、生存する個人に関する情報で、氏名、生年月日、住所、顔写真などにより特定の個人を識別できる情報をいいます。

例えば、生年月日や電話番号などは、それ単体では特定の個人を識別できないような情報ですが、氏名などと組み合わせることで特定の個人を識別できるため、個人情報に該当する場合があります。

また、メールアドレスについてもユーザー名やドメイン名から特定の個人を識別することができる場合は、それ自体が単体で、個人情報に該当します。

このほか、番号、記号、符号などで、その情報単体から特定の個人を識別できる情報で、政令・規則で定められたものを「個人識別符号」といい、個人識別符号が含まれる情報は個人情報となります。

例えば、身体の一部の特徴を電子処理のために変換した符号で、顔認証データ、指紋認証データなどが個人識別符号です。また、サービス利用や書類において利用者ごとに割り振られる符号で、パスポート番号、基礎年金番号、運転免許証番号、マイナンバーなども個人識別符号です。

個人情報の管理

個人情報取扱事業者は、個人情報保護法にもとづいて個人情報を安全に管理する義務を負っています。

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特定個人情報について

特定個人情報とは

特定個人情報とは、マイナンバー(個人番号)やマイナンバーに対応する符号をその内容に含む個人情報のことです。

特定個人情報も個人情報の一部ですが、個人情報のようにさまざまな場所で活用できるわけではなく、使用目的が限定されている点が特徴です。

特定個人情報の使用用途は、各種税金、社会保障、災害関連の3つに限定されています。

マイナンバーとは

マイナンバーとは、日本の住民票を持つすべての人に対して割り振られた数字のことです。マイナンバーは数字12桁で構成され、引っ越ししても結婚しても基本的には一生涯変わりません。

マイナンバーそのものは個人情報ですが、マイナンバーと個人情報がセットになると特定個人情報になります。

したがって、マイナンバーは、個人情報であると同時に特定保護情報でもあるので、マイナンバー法(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律)と個人情報保護法(個人情報の保護に関する法律)が適用されます。

特定個人情報についてはマイナンバー法が優先して適用されます。ただし、個人情報保護法に規定されているがマイナンバー法に規定されていない規定もあります。その部分は個人情報保護法の規定をみなければならないのです。

特定個人情報の管理

特定個人情報については、個人情報保護法とマイナンバー法に基づいて適切に取り扱わなければなりません。

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マイナンバー法と個人情報保護法

マイナンバーは特定個人情報であるとともに個人情報でもあるので、繰り返しになりますが、マイナンバーを扱うときはマイナンバー法と個人情報保護法を守らなければなりません。

利用目的の特定やデータの正確性の確保についてはマイナンバー法に規定されていないので、個人情報保護法第15条(利用目的の特定)や、第19条(データ内容の正確性の確保)に基づいて管理しなければなりません。

逆にマイナンバー法を優先しなければならない部分もあります。

個人情報保護法第16条の「利用目的による制限」はマイナンバー法には適用されません。

これは、取得に際しては利用目的を特定するという規定です。そして、本人の同意を得ないで特定された利用目的を超えて個人情報を利用するのはできないと定めています。逆に言えば、本人が同意すれば利用できます。

マイナンバー法は税務や社会保険など限られた場面でしか利用しないことを定めています。つまり、マイナンバー法では、特定個人情報については、たとえ本人の同意があっても利用目的の達成に必要な範囲を超える取扱いは認めません。特別法であるマイナンバー法第19条(特定個人情報の提供の制限)、第20条(収集等の制限)が適用されます。

同様に、個人情報保護法第23条の「第三者提供の制限」も適用されません。

個人情報保護法では第三者提供は本人の同意が必要です。逆に言えば本人が同意すれば第三者提供ができます。

マイナンバー法は、特定個人情報については、たとえ本人の同意があってもマイナンバー法第19条に定められた場合しか第三者に提供することを認めません

個人情報保護法は個人の利益を保護するための法律なので本人の意思が重要であるのに対し、マイナンバー法は、個人の意志で左右させるのでなく、例外については法律で限定するという仕組みになっています。


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