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退職の事務

退職予定の従業員が解雇を希望したらどうするか

Last Updated on 2024年10月11日 by

会社都合退職にしたい

まれなことですが、従業員の方から解雇にしてほしいという要望が出ることがあります。

その従業員が、雇用保険の給付を受ける際に解雇のほうが割がよいと単純に思い込んでいる場合にこういうことが起こります。なかには、解雇に持ち込んでひと騒動起こそうと目論んでいる場合もあります。その他、何かこだわりがあって意地になっている場合もあります。

解雇でないのであれば安易に応じてはいけません。解雇扱いにすると、雇用保険の離職証明書にその旨を記載することになります。これは虚偽を記載することになります。会社がした虚偽の記載によって退職従業員が雇用保険からの給付を本来より有利に受給することになれば、会社が詐欺の片棒を担いだことになります。けっしてやってはいけません。

雇用保険は退職する従業員にとって大きな関心があるので、このような例に限らず、いろいろな希望を言ってくることがありますが、会社が作成する書類は事実にもとづいて記載するものであって、本人の希望はまったく考慮する必要がありません。

不当解雇訴訟につながる

また、書類に退職理由を解雇と書き込むことによって、解雇予告手当の問題がでてきます。解雇ならば解雇予告期間か解雇予告手当の支払いが必要だからです。

次に、その解雇が不当解雇だと従業員から訴えられるリスクがあります。そのように訴えられると、元々解雇の理由など無いか、乏しいのですから、会社が負ける可能性が高いです。あれは頼まれて書いただけだと主張しても、相手に完全否定されると苦しいです。

負ければ、解雇日から解決日までの賃金や、慰謝料などの支払いなどが生じます。途中、和解になっても相当の出費になります。通常の退職手続きをとっていれば起こり得ないトラブルに発展することがあるのです。まさかそこまでは、と思うかもしれませんが、現実にあるのです。


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