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労働災害

労災保険は誰が請求手続きをするか

Last Updated on 2025年8月23日 by

原則

業務災害や通勤災害に起因して怪我や病気になったとき、従業員は労災保険から補償を受けることができます。亡くなったときは遺族が補償を受けることができます。

労災保険に保険給付を申請するのは、労災保険法の規定では、被災した労働者本人または遺族となっています。

会社の助力

しかし、労災保険の請求手続を、被災した労働者本人や遺族が行うのは、困難な場合が多いと思われます。

そこで、労災保険法施行規則には、事業主の助力についての規定があります。

(事業主の助力等)
第二十三条 保険給付を受けるべき者が、事故のため、みずから保険給付の請求その他の手続を行うことが困難である場合には、事業主は、その手続を行うことができるように助力しなければならない。

この規定により、会社が労災保険の請求手続を主導する場合がほとんどです。

会社は、ほとんどの場合、被災した従業員やその遺族に労災保険の手続について説明し、請求書の記入の大半部分を代行し、労働基準監督署への提出も代行しています。

事業主証明

労災保険の請求書類には、事業主が証明する記載欄があります。

労災保険法施行規則第二十三条2 事業主は、保険給付を受けるべき者から保険給付を受けるために必要な証明を求められたときは、すみやかに証明をしなければならない。

この証明をすることも会社の義務になっていますが、会社と従業員の意見が食い違う、つまり、従業員は労災だと主張しているが、会社としては労災ではないと考えている場合には注意が必要です。

関連記事:労災保険の事業主証明はどう書けばよいか?

申請の流れ

労災保険給付の申請手続きの流れは以下の通りです。

□ 労災保険給付の様式を入手する(厚生労働省のサイトからダウンロードできます)

□ 請求書を作成して労働基準監督署長に提出する。

□ 調査が行われ、労災認定されると保険給付を受けることができる。不支給決定もある。


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