Last Updated on 2021年7月28日 by 勝
メリット制とは
労災保険のメリット制とは、個々の事業における労働災害の多い少ないによって労災保険率を増減させる制度です。
メリット制が適用されると、労災保険率が最大40%の割合で上下します。
メリット制が適用される事業場
メリット制は、事業が一定の規模以上になると適用されます。
要件は次の通りです。
1.連続する3保険年度中の各保険年度において、労働者数が100人以上であること
2.上記期間の労働者数が20人以上100人未満で、かつ災害度係数(労働者数×(適用される労災保険料率-0.6/1000))が0.4以上の事業
一括有期事業の場合は、連続する3保険年度中の各保険年度において、確定保険料の額が40万円以上であること。
メリット制が適用される時期
連続する3保険年度の最後の年度の翌々年度から適用となります。つまり、3年目の年度が27年度であるときは、29年度から適用されます。よって、新設の事業所は最初の4年間はメリット制の適用はありません。
メリット制の適用は、事業主の方から申請する必要はありません。適用されると、適用年度の年度更新の時に送付されてくる書類でメリット料率が分かります。
メリット料率の算定
連続する3保険年度の、
保険給付と保険料の比率が、
メリット収支率です。
つまり、メリット収支率は、3保険年度間の保険給付額÷(3保険年度間の保険料の額×調整率)×100 の計算式で算出されます。
算定したメリット収支率に基づいて、労災保険率の増減率が決まります。
メリット収支率が10%以下であれば、労災保険率は40%減になります。
メリット収支率が150%超であれば、労災保険率は40%増になります。
10%超から150%の間であれば、35%減から35%増の間で決まります。
労災保険料率から「通勤災害などの非業務災害率(0.6/1000)」を除外した部分のみが40%の増減の対象となります。
なお、計算式の「保険給付」には、通勤災害に支給された労災保険給付や二次健康診断等給付の支給額は含まれません。つまり、通勤災害は労災保険料率に影響しません。
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