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障害者雇用率制度

Last Updated on 2024年10月11日 by

障害者雇用率制度とは

障害者雇用促進法は、障害者雇用率を設定して事業主に障害者の雇用義務を課し、基準に達しない事業主に納付金を課しています。

一般事業主は、その常用雇用労働者数に対して一定割合以上の身体障害者・精神障害者又は知的障害者を雇用しなければなりません。

雇用率の適用単位は、企業全体について計算します。

法定雇用障害者数=(企業全体の労働者数−※除外率相当数)×障害者雇用率(1人未満の端数は切り捨て)

※障害者が就業することが困難であると認められる職種については除外率を定め、除外率によって算定される除外労働者数を総労働者数から控除した上で、雇用率を適用します。

雇用率は次のようになっています。(令和4年3月~)
・民間企業については、2.5%

2026年7月には2.7%に引き上げられることが予定されています。

令和4年3月現在の雇用率によると、常用雇用労働者数が40人以上の民間企業は、障害者を1人以上雇用する義務があります。

常用雇用労働者数とは、1年を超えて雇用される(見込みを含みます)者のうち、1週間の所定労働時間が20時間以上であり、障害者である労働者も含みます。

障害者雇用率の計算に際しては、障害の程度や種類によってカウントの仕方が異なります。

① 1週間の所定労働時間が20時間以上30時間未満の者は短時間労働者となり、1人を0.5人としてカウントされます。

② 重度身体障害者又は重度知的障害者である労働者は、1人を2人とみなします。重度身体障害者又は重度知的障害者である短時間労働者は、1人とみなします。

③ 短時間労働者は①の扱いですが、そのうち精神障害者の短時間労働者については、一定の要件を満たせば1人としてカウントできる場合があります。

雇用率の対象になる障害者

1.身体障害者手帳の交付を受けている者
2.療育手帳の交付を受けている者又は知的障害者判定機関の判定書の交付を受けている者
3.精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている者

なお、

発達障害者は雇用義務の対象には含まれず、また実雇用率に算定することもできませんが、求人開拓や職業指導の対象には含まれています。

難病等の慢性疾患者や高次脳機能障害者など障害者手帳のない方は、雇用義務の対象には含まれず、実雇用率に算定対象とすることもできませんが、求人開拓や職業指導の対象には含まれています。

特例子会社制度

特例子会社制度とは、企業が障害者の雇用に特別の配慮をした子会社を設立して、一定の要件を満たす場合には、その子会社に雇用されている労働者を親会社に雇用されているものとみなして、実雇用率を算定できるという制度です。

関連記事:障害者雇用促進法の特例子会社

障害者雇用納付金制度

障害者を雇用するには、作業施設や設備の改善など、事業者にとって経済的負担が増す場合があります。このため、障害者の雇用義務を誠実に守っている企業とそうでない企業とでは、経済的負担の不公平が生じます。

そこで、この経済的負担を調整するとともに、障害者の雇用の促進等を図るため、未達成の事業主から雇用納付金を徴収する制度が設けられています。

この制度では、未達成の事業主から障害者雇用納付金を徴収するとともに、その納付金を財源として障害者雇用調整金、報奨金及び各種助成金の支給を行っています。

障害者雇用納付金の納付

常時雇用する労働者数が100人を超え、障害者雇用率が未達成であれば、申告書を提出し、不足する障害者数に応じて1人につき月額50000円の障害者雇用納付金を納付しなければなりません。
障害者雇用納付金の額=(法定雇用障害者数−雇用障害者数)の各月の合計数×1人当たり50,000円

障害者雇用納付金を納付する事業主は、毎年4月1日から5月15日までに、独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構(各都道府県協会)に申告納付する必要があります。

障害者雇用調整金と報奨金の支給

常用雇用労働者数が100人を超える事業主が障害者雇用率を達成している場合は、その超えて雇用している障害者の人数に応じて1人につき月額27,000円の障害者雇用調整金が支給されます。

障害者雇用調整金等が受けられる事業主は、毎年4月1日から5月15日までに、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(各都道府県協会)に申告納付する必要があります。


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