Last Updated on 2024年10月11日 by 勝
資格取得時決定
社会保険料を計算するには、まず標準報酬月額が決まらないといけません。
標準報酬月額とは、労働者の賃金を複数の等級に区分したもので、社会保険料を算出する基準になるものです。
基本的には報酬実績を基礎にして標準報酬月額が決まりますが、新入社員などのように報酬実績がない場合には、労働契約などの内容にもとづいて、年金機構の「資格取得時の決定」の規定に則って標準報酬額を決めて届け出ます。これを「資格取得時決定」といいます。
資格取得時の決定方法
1.月、週その他一定期間によって報酬が定められる場合
被保険者の資格を取得した日現在の報酬額をその期間の総日数で除して得た額の30倍に相当する額
2.日、時間、出来高又は請負によって報酬が定められる場合
被保険者の資格を取得した月の前1か月間に当該事業所で、同様の業務に従事し、かつ同様の報酬を受ける者が受けた報酬の額を平均した額
3.上記1又は2の方法では報酬の算定が困難である場合
被保険者の資格を取得した月の前1か月間に、その地方で、同様の業務に従事し、かつ同様の報酬を受ける者が受けた報酬の額
4.上記1から3の複数に該当する報酬を受ける場合
各々の報酬について上記1から3によって算定した額の合算額
標準報酬月額の適用期間
決定された標準報酬月額は、被保険者の資格を取得した月からその年の8月までの各月に適用されます。
ただし、被保険者が6月1日から12月31日までの間に資格取得した場合は、資格取得した月から翌年の8月までの各月に適用されます。
届出期限
雇用した日から5日以内に、「被保険者資格取得届」を日本年金機構(事務センター又は年金事務所)へ提出します。
届出後の変更
毎月の賃金が当初の見込みより大幅に変わってしまった時、具体的には、継続した3か月間に支払われた賃金の平均額で算出する標準報酬月額と、現状の標準報酬月額に2等級以上の差が生じる場合には「随時改定」の届け出をします。書式は「健康保険・厚生年金保険 被保険者報酬月額変更届/厚生年金保険70歳以上被用者月額変更届」です。
関連記事:社会保険料の随時改定
提出した書類に誤りがあったときは訂正の届け出が必要です。年金機構に提出する訂正の届け出は、多くの場合、元の届け出と同じ用紙を用いて、標題の部分に赤で「訂正届」と記入して届け出ます。そして、訂正する欄に正しい内容を黒で、その上部に誤った内容を赤で記入します。訂正する欄以外も空欄にせず黒で記入します。訂正理由を余白または備考欄に記入します。「副」の書類も赤黒の別が必要です。
資格取得届を全く取り消すときは、資格取得届の用紙を用いて、標題を赤で「取消届」記入し、元に提出したときの記載内容をすべてを赤で記入します。
取得届提出後の氏名変更は「氏名変更(訂正)届」、生年月日訂正は「生年月日訂正届」になります。
会社事務入門>従業員を採用するときの手続き>採用時の社会保険手続き>このページ