Last Updated on 2023年10月20日 by 勝
安全運転管理について
安全運転管理者を選任する
一定の台数以上の自動車を使用している場合は、安全運転管理者を選任して公安委員会に届けなければなりません。
1.5台以上の自動車を使用(バイク等は0.5台と計算する)
2.乗車定員11名以上の自動車を使用
20台以上の場合には、20台ごとに副安全運転管理者を選任する必要があります。
安全運転管理者になるためには、原則として公安委員会の講習会を受講しなければなりません。また、選任されてからも、毎年一回受講しなければなりません。
安全運転管理者は、運転者の健康状態の把握から、車両の状態、天候への対応にいたるまで、安全運転にかかわること全てを取り扱います。また、安全運転のためであれば、乗務禁止を命じるなどの権限を行使することができます。
酒気帯び確認
2021年11月10日、「道路交通法施行規則の一部を改正する内閣府令」が公布され、安全運転管理者の業務として、運転者に対して酒気帯びのチェックをする業務が追加されました。
関連記事:安全運転管理者による酒気帯び確認
安全運転管理規程
安全運転管理者を選任するときは、安全運転管理規程を制定して、安全運転管理者が職務を行いやすい体制を整えましょう。
社内規程例:安全運転管理規程
車両管理について
自動車保険に加入する
必要にして充分な自動車保険に加入する必要があります。
1.保険の漏れがないように定期的に点検する
2.事故処理だけでなく安全運転管理にも協力的な代理店を選定する
支払保険料の節約を考えがちですが、他の経費と違って、万一に備えたものなので、できるだけ補償の質が高い自動車保険を選ぶべきです。
点検整備をする
車検や法定定期点検を確実に実施しましょう。
始業点検を実施する
会社の車両は、毎日運転前に点検を実施させましょう。やる前は面倒そうに感じますが、習慣になればなんということはありません。
周りを一周して点検する
□ 車体に新しいキズがないかチェックする
□ タイヤの状態をチェックする(スリップサインに注意)
エンジンルームの点検をする
□ バッテリー液の量をチェックする
□ 冷却水の量をチェックする
□ エンジンオイルをチェックする
運転席に座ってスイッチ類の点検をする
□ ランプ類の点灯テストをする(2人一組で実施します)
エンジンをかける
□ エンジンのかかり具合や異音がしていないか点検する
□ 少し動いてブレーキの効き具合をテストする
メンテナンス込みのカーリースが便利
複数台を管理する会社等では、カーリースがよいでしょう。 メンテナンス、車検、自動車保険、自動車税を含めることで支払先を統一し、保険のかけ忘れや車検の失念などの心配がなくなります。
交通事故の会社の責任
社員が交通事故を起こしたときは、社員の不注意によるものだとしても、雇用主である会社も、相手方に対する損害賠償を負わなければならない場合があります。
もちろん、不注意で事故を起こした事故は、当事者である社員に責任があるのですが、法律上、会社にも責任があり、一般的には、資力のある会社が賠償責任を求められます。
会社が負う責任には、民法上の「使用者責任」と、自動車損害賠償保障法上の「運行供用者責任」です。どちらも、社員が仕事の上で第三者に与えた損害は会社に賠償の責任があるとする規定です。
使用者責任とは
使用者責任とは、会社が雇っている従業員が、何らかの不法行為を起こして相手に損害を与えたとき、使用者が本人と連帯して責任を負わなければならないというものです。交通事故も不法行為の一つなので、従業員が業務中に交通事故を起こした場合は会社に使用者責任が成立します。
運行供用者責任とは
運行供用者責任とは、自動車の運転によって利益を受けているものが、その自動車が起こした損害についても責任を負う、というものです。会社が仕事に車を使っていることは、車の運行によって稼いでいるわけですから、プラスの面だけでなく車から生じるマイナス面も負いなさいということです。
社用車の無断運転も会社に責任が
会社に無断で、私用のために社有車を運転して事故を起こしてしまった場合はどうでしょうか。
無断で社有車を運転した事情がどのようなものであるか。つまり、勤務中なのか、勤務時間外なのか、そういうことがひんぱんにあったのか、会社がしっかりと私用運転を禁止して、それが守られていたか、などの事情が考慮されます。
ただし、裁判例では、会社にほとんど落ち度が認められないケースでも、被害者の救済という観点から、会社に運行供用者責任を認める傾向にあります。
借り上げ車両のリスク
マイカーを業務に使用させるときは、十分に検討し、規程に基づいて運用しましょう。
運転者への日常指導
運転者教育
いったん会社を出れば、どのような運転をしているかわかりません。運転者が自主的に安全運転をするように、日常の教育が重要です。
会社の研修体系に、安全運転を組み入れましょう。運転業務に従事する者には年1回は安全運転講習を義務付けましょう。
一定の人数がまとまれば自動車学校等に依頼して、専門の講師による安全教育を実施することもできます。人数が少ない場合は 自動車学校などがやっている安全運転教習を利用しましょう。
表彰制度
安全運転についての意識を継続させるために、1年間無事故の職場単位表彰、5年間無事故の個人単位表彰など、個人単位や職場単位の表彰制度を採用している会社もあります。
運転免許の点検
運転免許を定期的に点検することで、運転免許証の失効を予防し、安全運転指導に役立てることができます。
安全運転誓約書
安全運転についての意識をもたせるために安全運転誓約書を提出してもらう会社が多いとおもいますが、ほとんどが一度きりで形がい化しています。安全運転意識を継続させるために、毎年一回定期的更新提出させている会社もあります。
誓約書の例:安全運転に関する誓約書のサンプル
通勤中の事故について
労災保険
通勤中の事故は労災保険の給付を受けられます。
通勤の管理
マイカー通勤は許可制にして安全教育を実施しましょう。
自転車であっても重大事故を起こすことがあります。自転車通勤を許可制にして、安全教育を実施しましょう。
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