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自動車事故対応

実況見分と交通事故証明書

Last Updated on 2023年10月20日 by

実況見分とは

事故を警察に通報すると警察官がやってきます。

警察官は、事故現場で、タイヤのブレーキ痕を測定したり、車両の状態をみたり、事故の当事者や目撃者から話を聞いたりします。これを実況見分といいます。

通常は、事故発生直後に事故当事者の立ち合いの元で行われます。

実況見分のあとに、その内容を文書化した実況見分調書が作成されます。

実況見分調書は、過失割合を決める大きな役割を果たし、裁判において事故状況を証明する最も重要な証拠となります。

当事者としても、警察官が到着するまでに、可能な状態であれば、スマホなどで記録をとっておけばよいでしょう。また、目撃者を確保し、名刺をもらうか連絡先を聞いてメモしておきましょう。

すぐに救急車で搬送される場合は、当然事故直後の実況見分に立ち会うことができません。

当事者の一方がいなくても、実況見分は行われますが、本人が立ち会えないので、加害側の主張が通りやすい状況であるのは否めません。

万一、事実が記載されていない書類を示されたときは、署名捺印しないことが大事です。保険会社に相談し、場合によっては弁護士に相談しましょう。

交通事故証明書

保険の請求には、自動車安全センターが発行する交通事故証明書が必要になります。

上記のサイトから発行の申請ができます。

交通事故証明書は、実況見分調書や供述調書をもとに作成されます。

交通事故証明書には、事故原因、過失割合、損害の程度などは書かれていません。あくまでも、「このような事故があった」という事実を証明するものです。

しかし、事故の当事者を「甲」「乙」と記載します。一般的には「甲」の過失割合が高く、「乙」が低いとみられるので、この証明書を見た保険会社の担当者や、弁護士、裁判所は、「甲」を加害者、「乙」を被害者と見なす傾向があります。

ですから、実況見分や聴取では、しっかりと自分の主張を述べることが大事なのです。


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