所定内賃金と基準内賃金の違い

賃金・賃金制度

所定内と基準内

現場では、所定内賃金と基準内賃金は、区別して使っている人もいますが、同じ意味で使っている人もいます。

法律に定義がない用語なので、いろいろな解釈がありますが就業規則等で定めれば、その会社においてはそれが正解ということになります。

幾つかの考え方を紹介します。

固定的賃金を所定内賃金という

所定という言葉には、あらかじめ決まっているという意味があります。

例えば、所定時間外労働というのは、就業規則に定められた所定労働時間を超える労働時間のことです。

そして、所定内賃金といえば、所定労働時間に対する賃金ということになります。

終わってみなければいくらになるか分からない残業手当などをのぞいて、事前にいくらになるか決まっている賃金、つまり基本給や家族手当などの手当が所定内賃金ということになります。

割増賃金の基礎になる賃金を基準内賃金という

基準内というのは、何か基準があってその基準にあてはまるものという意味です。

労働基準法に「割増賃金の基礎となる賃金には、家族手当、通勤手当その他厚生労働省令に定める賃金は算入しない。」という規定があります。

そこで、労働基準法に基準が示されているという意味で、割増賃金の基礎になる賃金を基準内賃金といい、それ以外の割増賃金の計算に含まない賃金を基準外賃金とすることがあります。

まとめ

賃金体系の分類としては所定内外が用いられることが多いようです。

割増賃金の基礎になる賃金を区別するときは基準内外を用いることが多いようです。

法律では明確に定義されていないので、上記と違う定義で用いていても間違いということはありません。同じ会社内で異なる意味で用いていれば混乱するので、それぞれの会社で就業規則などできちんと定義しておきましょう。