労働審判制度の仕組み

Last Updated on 2021年11月4日 by

労働審判とは

労働審判は、解雇や給料の不払などの個々の労働者と雇用主との間の労働関係のトラブルを取り扱います。

労働審判は裁判所で行われますが、通常の裁判とは異なり非公開で行われます。労働審判手続を担当するのは、労働審判官(裁判官)1名と労働審判員2名で組織する労働審判委員会です。

労働審判員は、雇用関係の実情や労使慣行等に関する詳しい知識と豊富な経験を持つ者の中から任命されます。

迅速性

労働審判は、原則として3回以内の期日で審理を終えることになっているので迅速な解決が期待できます。

これまでの事例をみると、平均審理期間は77日で、70%の事件が申立てから3か月以内に終了しています。

労働審判の流れ

申立て

労働審判手続を利用するには、地方裁判所に申立書等を提出する必要があります。

期日指定・呼出し

労働審判官は、原則として申立てがされた日から40日以内に第1回の期日を指定して当事者双方を呼び出します。その際、相手方には申立書の写し等も送付します。

答弁書等の提出

相手方は期限までに答弁書等を提出しなければなりません。

審理

労働審判委員会は、期日の中で双方の言い分を聴いて、争いになっている点を整理し,必要に応じて申立人や相手方の関係者などから直接事情を聴取するなどの審理を行います。

調停

労働審判委員会は、審理の中でまず調停という話合いによる解決を試みます。話合いがまとまらない場合に、労働審判委員会の判断(労働審判)を示します。

話合いがまとまると調停が成立し、労働審判手続は終了します。調停の内容は調書に記載され、内容によっては強制執行を申し立てることもできるようになります。

労働審判

調停がまとまらないときは、労働審判委員会が審理を踏まえて判断を示します。これを労働審判と言います。

労働審判に対し2週間以内に異議の申立てがなければ、労働審判は確定し、その内容によっては強制執行を申し立てることもできるようになります。

労働審判に不服のある当事者は2週間以内に異議申立てをすることができます。異議申立てがなされた場合は、労働審判は効力を失い、通常の裁判による訴訟手続に移行します。

手続利用の留意点

トラブルの内容が複雑な事件は労働審判に馴染みません。そのような事件の申立に対しては、労働審判委員会が事件を終了させることがあります。

迅速に審理を行うためには、当事者は早期に的確な主張・立証を行う必要があります。申立書に、当事者間の交渉など申立てに至る経緯の概要も記載する必要があるため、紛争が生じたからといっていきなり申立書を出すのではなく、当事者間で交渉を行ったり、行政機関等によるあっせん手続を行ったりしておくことが求められています。

労働審判は当事者本人でも申立できますが、労働審判手続による解決に適した事案かどうかを適切に見極め、申立ての段階から十分な準備をし、期日において状況に応じた的確な主張・立証を行うために、弁護士に依頼することが望ましいとされています。

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