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労災保険

労災保険の第三者行為災害届

Last Updated on 2023年9月18日 by

第三者行為災害とは

労災の原因が、第三者による不法行為などによる場合を「第三者行為災害」といいます。

具体的には、勤務中に労働者が、交通事故(自損事故を除く)にあったり、暴行されたりする等、第三者にケガ等をさせられて、第三者に対し損害賠償請求を行うことができる労災の類型のことです。

この場合、労災保険の受給権者である被災労働者または遺族に対して、第三者が損害賠償の義務を有していることになります。

つまり、被災労働者等は第三者に対し損害賠償請求権を取得すると同時に、労災保険に対しても給付請求権を取得することとなります。

この場合、同一の事由について両者から損害のてん補を受けることになれば、二重に補償金を受け取ることとなり不合理が生じます。

もし、先に労災保険から給付を行った場合は、被災労働者等が持つ第三者に対する損害賠償請求権を、労災保険給付を行った国が取得して第三者に求償します。

逆に、先に第三者から損害賠償を受けている場合は、労災保険からは給付額からその額を控除して支給します。

第三者行為災害届の手続き

被災労働者や遺族が第三者行為災害について労災保険給付を受けようとする場合には、被災者の所属する事業場を管轄する労働基準監督署に、「第三者行為災害届」を提出しなければなりません。

労働基準監督署が、第三者からも賠償を受けられることを把握し、労災保険から支給する保険金と第三者が賠償する賠償金との調整を行う必要があるからです。

この届けは、原則として労災保険給付に関する請求書に先立って、または請求書と同時に提出しなければなりません。正当な理由なく「第三者行為災害届」を提出しない場合には、労災保険給付が一時差し止められることがあります。

第三者行為災害の場合は、労災保険の手続きは一般の労災手続きと違うところがあります。特に添付書類が多いので注意が必要です。

注意事項

加害者への損害賠償請求は、加害者との交渉が難航することも多く、法律的な手段を用いなければならなくなることがあります。こうしたことを個人で行うことは現実的ではありません。弁護士等への依頼が必要になるでしょう。

また、示談について特に注意が必要です。示談とは当事者同士の話し合いで解決することですが、示談が成立すれば被災者は示談内容以外の損害賠償請求権を放棄するとされ、ほかの請求内容の労災保険が給付されないことがあります。

示談をおこなう際は事前に労働基準監督署に示談をおこなうことを報告し、示談書を提出する必要があります。労働基準監督署に連絡なしに示談を行わないことを頭に入れておきましょう。

また、どの段階でどのような内容の示談をするのが妥当なのかについて、素人には判断できないことが多いので、この点についても弁護士等へ依頼したほうがよいでしょう。


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