防火管理者になるには?資格取得から業務まで徹底解説

Last Updated on 2025年9月14日 by

防火管理者になるにはどうすればいいのでしょうか?資格取得の方法から、防火管理者の役割、講習の内容、さらには注意点まで、分かりやすく解説します。

防火管理者の資格はどうやって取るの?

防火管理者になるには、基本的には「防火管理者講習」を受講し、修了する必要があります。この講習は、消防法で定められた知識や技能を習得するためのものです。

例外として、講習を受けずに防火管理者になれるケースもあります。

  • 消防職員としての経験者:市町村の消防職員として、管理的・監督的な職務に1年以上就いていた人。
  • 特定の資格・経験を持つ人:労働安全衛生法上の安全管理者や、甲種危険物取扱者、建築主事、一級建築士などの特定の資格を持ち、実務経験のある人。

これらの要件を満たす場合は、講習の受講が免除されます。しかし、多くの人にとって、防火管理者への第一歩は「防火管理者講習」の受講となります。

甲種と乙種の違いって何?

防火管理者の資格には、「甲種」と「乙種」の2種類があります。この2つの大きな違いは、担当できる建物の規模と用途です。

甲種防火管理者乙種防火管理者
担当できる建物すべての防火対象物小規模な建物に限られる
講習日数2日間(12時間)1日間(6時間)
担当できる範囲収容人員が300人以上など、大規模な建物の防火管理が可能収容人員が少ない小規模な建物のみの防火管理が可能

せっかく講習を受講するのであれば、担当できる範囲が広い甲種防火管理者の資格を取得するのがおすすめです。将来的に別の建物に異動したり、キャリアアップを目指したりする場合でも、甲種の資格があれば対応できる範囲が広がります。

講習の内容と費用

防火管理者講習は、各地域の消防本部や、一般財団法人日本防火・防災協会が開催しています。全国どこで受講しても、資格の効力は同じです。

講習は座学が中心で、以下のような内容を学びます。

  • 防火管理の意義と制度
  • 火災の基礎知識
  • 消防用設備の知識
  • 消防計画の作成方法
  • 自衛消防隊の編成と役割
  • 避難管理
  • 地震・津波対策など

講習の最後に修了試験がありますが、講習の内容をしっかり聞いていれば合格できる難易度です。講師が「ここが試験に出ます」と教えてくれることが多いため、マーカーなどで印をつけておくのがおすすめです。

費用は、テキスト代と受講料を合わせて数千円程度です。正確な金額は、受講する機関のウェブサイトで確認しましょう。

受講の注意点

防火管理者講習を受講する際は、以下の点に注意してください。

  • 必要書類の準備:講習当日は、受講票や身分証明書などを忘れずに持参しましょう。
  • 全時間の出席が必須:資格取得には、講習の全時間に出席することが必須条件です。遅刻や早退は認められません。
  • 権限のある人が就任を:防火管理者は、防火に関する業務を組織内で指示・命令できる管理的または監督的な地位にある人が選任されるべきです。形式的に任命されても、実質的な権限がなければ責任を果たすことはできません。会社の施設の責任者や、それに準じる人が就任するのが一般的です。

防火管理者講習は、防火・防災への意識を高める良い機会です。ぜひ、多くの社員に受講を促し、組織全体の防災力を高めていきましょう。


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