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取締役と監査役

取締役と監査役の任期

Last Updated on 2023年3月7日 by

取締役と監査役

取締役は、株主総会とともに、株式会社で必ず設置しなければならない機関です(ただし、取締役会は必ずではありません)。一方、監査役は、公開会社、会計監査人を置く大会社、一定の清算会社などでは必ず置かなくてはなりませんが、それ以外の会社では任意の機関です。

取締役、監査役を置く場合は、必ず任期の定めを設ける必要があります。

取締役の任期

取締役の任期は、会社法で次のように規定されています。

第332条 取締役の任期は、選任後二年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとする。ただし、定款又は株主総会の決議によって、その任期を短縮することを妨げない。

これにより、取締役の任期は原則2年となります。

但書では、取締役の任期は「短縮することを妨げない」と規定しています。定款または株主総会の決議があれば、選任から1年以内に終了する事業年度の最終のものに関する定時株主総会の終了の時まで、とすることが可能です。

任期を長くすることもできます。

会社法第332条第2項 前項の規定は、公開会社でない株式会社(監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社を除く。)において、定款によって、同項の任期を選任後十年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで伸長することを妨げない。

適用できるのは、公開会社でない会社で、監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社でない会社です。

公開会社でない会社(非公開会社)とは、株式の全部について譲渡制限をつけている会社のことです。いわゆる株式上場会社のことではありません。

株式の譲渡制限を定款で定めている会社(中小企業の大部分)は、定款で定めることにより、取締役の任期を、最長で10年にすることができます。

なお、監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社の取締役は、会社法で任期が定められているので、定款等によって、これを短縮することも延長することもできません。

監査役の任期

会社法では、監査役の任期を次のように規定してます。

第336条 監査役の任期は、選任後四年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとする。

これにより、監査役の任期は原則4年になります。

監査役の場合には、任期を短縮することはできませんが、非公開会社においては、取締役と同様の規定により、定款で定めることで任期を最大で10年まで延長することができます。

任期延長の注意点

中小企業では、取締役も監査役も、会社の創業者又はそれに近い人物がなることが多いので、頻繁に改選をする必要がないと考えて長い任期を定める会社が多くなっているようです。

これには、取締役や監査役の重任の登記の手間や登記費用を抑えることができるというメリットもあります。

ただし、任期を長くすることでのデメリットも考えておかなければなりません。信頼していた取締役であっても、長い間には関係が冷えてしまうかもしれません。期待した働きがないかもしれません。もちろん、株主総会を開いて解任することはできますが、正当な理由がない解任は、損害賠償の問題などに発展するかもしれません。

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