Last Updated on 2023年2月26日 by 勝
定款とは
株式会社を設立するときにまず必要なのが「定款」です。「定款(ていかん)」は会社の基本規程です。就業規則が基本規程、などと言うときもありますが、少し意味が違います。就業規則は、従業員に働いてもらうための基本規程ですが、定款は、会社の名前や事業目的を定めるものですから、会社の存在そのものにかかわる基本規程です。
会社を作るときには、まずこの定款を作成します。定款を作成するのは会社の「発起人」、つまり、会社を作ろうとする人(達)です。一旦会社ができてしまえば、定款の変更は、株主総会で決定します。
定款には必ず記載しなければならない事項があり、それらを盛り込んで作成します。
定款に必ず記載が必要な事項を絶対的記載事項といいます。次の6つです。
① 会社の目的
② 商号(会社名)
③ 本店所在地
④ 設立に際して出資される財産の価額又はその最低額
設立する会社に出資する財産の額のことです。「価額又はその最低額」というのは、必ずしも確定した額でなく、「最低でもこのくらいは出資できる」という額を記載すればよいという意味です。定款には「第〇条 当会社の設立に際して出資される財産の価額は、金〇〇万円とする。」などと記載します。
⑤ 発起人の氏名又は名称及び住所
発起人の氏名(名称)・住所は、印鑑証明書に記載されているまま、一言一句間違いのないように書かなければなりません。例えば、「ニ丁目10番2号」という記載であれば、「2-10-2」はもちろんだめで、「2丁目10番2号」でもだめです。
発起人が複数いる場合は、全員の氏名・住所を記載します。
また、「法人」が発起人となることもあります。その場合は履歴事項全部証明書(登記簿謄本)をもとに、正確に記載をしましょう。
⑥発行可能株式総数
これは、設立したときの株式数ではなく、将来にわたって発行することが可能な株式の総数のことです。定款には「第〇条 当会社の発行可能株式総数は〇〇株とする。」などと記載します。
なお、発起人は会社設立時の株式を1株以上引き受けることになっているので、発起人は、設立後は株主になります。定款には「⑤発起人の氏名又は名称及び住所」とともに、発起人の引受持ち株数も記載されます。
以上のほか、「株主総会」「取締役の選任」「事業年度」などについても、発起人が協議して決定し、記載します。
定款を作るときは、日本公証人連合会のホームページの、定款認証Q&Aを参考にしましょう。
また、同ホームページからは、定款例がPDFファイルやWordファイルでダウンロードできます。
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