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未成年者との労働契約

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労働基準法と民法の規定

民法5条は、未成年者の法律行為を制限しています。法律行為というのは契約などであり、労働契約も含みます。

民法第5条
未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りでない。
2 前項の規定に反する法律行為は、取り消すことができる。
3(略)

2022年4月1日より成年年齢が20歳から18歳へと変更されます。

これとは別に、労働基準法58条は、未成年者であっても単独で労働契約を締結できるという規定があります。

労働基準法第58条
親権者又は後見人は、未成年者に代つて労働契約を締結してはならない。

昔は親が雇用に介入して、子どもを無理やりにどこかで働かせるようなケースが少なからずあったのでしょう。

以上を整理すると、労働基準法により親が代わって労働契約を結ぶことはできないことが明らかですが、労働基準法には同意はいらないとは書いていません。そうすると同意については民法の規定によることになります。

未成年と労働契約を締結できる(雇用できる)が、その際に、法定代理人(親)の同意を得る必要があるということです。

15歳年度末までは学校長証明と親の同意書

労働基準法では、原則として雇用することができない満15歳に達した日以後の最初の3月31日までの年少者を、例外的に労働基準監督署長の許可をえて雇用する場合には、学校長の証明書と親権者の同意書を備え付けることが義務付けています。

年少者の証明書

このため、15歳年度末以上の年齢であれば、あえて同意書の必要はないだろうと考える人もいるのですが、民法の規定があるので未成年であれば親権者または後見人の同意書をとっておくべきでしょう。

ただし、採用時に身元保証書を入れさせ、その保証人の第一候補を親にすることで、実質的な同意書になることから、大半の会社では、あらためて就職同意書を求めるのではなく、身元保証書の受理をもって就職同意書に代えています。

親等による契約解除

未成年者が結んだ労働契約は、不利と認められる場合は、親などが解除することができます。

労働基準法58条2項
親権者もしくは後見人または行政官庁は、労働契約が、未成年者に不利と認める場合においては、将来に向かってこれを解除することができる

親権者や後見人、行政官庁(労働基準監督署)が「このような労働条件ではダメだ」と思えば、本人の意向にかかわらず労働契約を解除できる、つまり、辞めさせることができる規定だと解されています。

この場合、実際には未成年者に不利とは言えない労働契約であり、本人が働き続けたいと思っているにもかかわらず、親が大した根拠もなく感情的に辞めさせて良いのかという問題があります。

法律的には解除権の濫用ですが、会社としては裁判までして親と争うような問題ではありません。とは言ってもトラブルにならないようにしておく必要があります。

未成年者を採用するときは、身元保証書を提出してもらう際に、労働条件通知書の写しなどを交付することで、労働契約についての実質的な「同意」を取り付けておくことが勧められます。