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経理の事務

月次決算とは

Last Updated on 2023年12月31日 by

月次決算とは

経理の目的は、決算書を作成して、会社の経営成績と財政状況を株主・投資家・取引先などの利害関係者に報告することです。決算書を作成するための一連の手続きを決算といいます。

決算を行う時期は、通常は1年に1回、2回、4回など会社の規模等によって会社法や税法などによって定められています。

この決算を毎月行うのが月次決算です。

1か月単位で決算をすることは法的に求められていることではありませんが、営業成績や財政状態などを把握するために多くの会社等が任意に行っています。

月次決算のメリット

月次決算を行うと、早いタイミングで業績を把握できるので利益予測が正確になります。経営成績に変化があれば早期に原因を究明して、適切な対策を打つことが可能になります。

勘定科目の推移を観察することで、問題点を早期に発見できるので、適宜対応することことができます。

また、月次決算と同時に予算管理の仕組みも同時に導入することで、計画と達成状況を比較して、今後の対策を考えることができます。

月次決算の流れ

月次決算は年次決算より書類の量を減らすことができます。その分、スピードを重視することができます。会計事務をコンピュータで処理している場合は、仕訳入力の終了と同時に試算表のプリントアウトができるので、月末当日に月次試算表を関係先に配布することができます。

現預金等の残高

月次決算をすることで、現金・預金勘定の帳簿残高と実際残高に差異がないかを確認できます。これを実査といい、地味ですが重要な作業です。

実査にあたっては、金庫に保管している現金や有価証券等を実際に手にとって数えて、帳簿の残高との差異がないか確認します。預金等は残高証明書を取り寄せて帳簿残高と照合します。差異がある場合はその原因を追究して修正します。

一般的に日々の出納業務で現預金は毎日確認していると思いますが、月次決算では、現預金だけでなく、広い範囲で資産の実在を確認します。

棚卸し

月次決算をすることで月末の実際の在庫金額を確定することができます。

在庫量が膨大なときは月次決算では実地棚卸を省略して帳簿棚卸で在庫金額を確定することもありますが、月次決算においてもできるだけ実地棚卸を行うことが望まれます。

仮勘定

仮払金や仮受金などの仮勘定の内容を精査して、正しい科目に振り替えましょう。やむを得ない事情で月を経過する仮勘定は、その相手先、内容、金額の一覧表をつくりましょう。

経過勘定

前払費用や未払費用といった費用が、月をまたいでしまったときの処理を行います。月次決算の場合は年次決算ほどの正確性は求められませんが、事前に対象科目や計上基準を設定しておき、なるべくもらさず計上しましょう。月次決算がより正確になります。

減価償却費・引当金の計上

減価償却費や貸倒引当金、賞与や固定資産税、各種保険料、労働保険料などの期末確定、あるいは月をまたぐ費用は、月割で計上しましょう。

月次試算表

手書きの決算書だと、仕訳を総勘定元帳に転記し、総勘定元帳の残高をもとに月次試算表を作成します。会計ソフト等の業務ソフトを用いている場合は、仕訳入力が終わって、繰越処理をした段階で、一連の月次決算資料を出力できるようになります。

一般的には、試算表ではなく、月次損益計算書、月次貸借対照表、月次販売管理費内訳表をプリントして関係先に配布します。

月次決算の注意点

月次決算を早く正確に行うには、社内の各種書類の流れがスムーズであることが必要です。請求書や入金伝票、経費精算の伝票などが、各部署が期限を守って提出しなければなりません。取引先からの請求書なども締切日を守ってもらわなければなりません。こうしたベースになる部分がルーズだと、月次決算が正確なものになりません。

早く正確な月次決算を行うには、月次決算のスケジュールが経理だけでなく社内全体に共有されていなければなりません。

月次決算は、会社にとって自社の経営状態を把握し、迅速に対策を講じるために必要不可欠なものです。ポイントを押さえて月次決算のスピードアップと正確性向上に努めましょう。


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