Last Updated on 2022年11月8日 by 勝
国は、2026年までに手形を廃止する方針ですが、廃止されるのは紙の手形であり、同様の機能をもつ電子記録債権を利用することができます。電子記録債権とは、電子債権記録機関が作成する記録原簿上へ電子的な記録を行うことで権利内容が定められる仕組みです。これを電子手形ともいいます。電子手形の利用については取引銀行に早めに相談しましょう。また、銀行名と「でんさい」で検索すると詳しい説明が掲載されています。
手形や小切手の基本
小切手も手形も、それと引き換えにお金を払うことを約束する証券です。
これを発行するには、銀行から、手形用紙や小切手用紙をもらう必要があります。
そのためには、銀行で取引の審査を受けて、当座の口座を開設しなければなりません。
銀行からもらった手形用紙た小切手用紙に、支払金額などを記載して取引相手に渡します。
受け取った人は、その小切手や手形を銀行に取り立てを依頼(小切手の場合は口座に預け入れ)し、引き換えに(手形の場合は期日に)現金を受け取ります。
手形の取立てを依頼するには専用の用紙に記載して手形と一緒に、手数料を添えて窓口に出します。
発行者の預金残高が足りなくて、小切手や手形が現金にできないことを「不渡り」といいます。
小切手
小切手は、受けとった人が銀行に持参すると現金に換えることができます。ただし、呈示期間は振出日の翌日から10日以内となっているので、早めに銀行に持ち込む必要があります。
線引き小切手といって、小切手に2本の線を引いた小切手があります。これは、銀行の窓口で直接現金化することができません。一旦自分の通帳に預金する必要があります。
先日付小切手といって、先の日付を記入して、手形のように扱わせる場合があります。手形の印紙を惜しんでする場合や、資金繰りが極度に悪くなっている場合などに発行されるようですが、普通ではないやり方です。このような相手とは、取引を慎重にする必要があるでしょう。
手形
手形は、銀行に持参して現金に換えるのは小切手と同じですが、すぐに現金になる小切手と違って、記載している支払日にならないと現金化されません。
指定期日前でも銀行などで現金化する事ができます。手形割引といいます。この場合は、利息がかかります。また、割引の場合は、裏書(手形の裏に自分の住所氏名を書くこと)して銀行に差し出すのですが、この手形が不渡りになった場合は、裏書人として額面額を請求されることになります。
紛失したとき
□ 振出人は取引銀行へ連絡し事故届を提出
□ 警察署へ紛失届若しくは盗難届を提出
□ 手形や小切手の額面に記載された金額と同額の金額を銀行に預託
□ 管轄の簡易裁判所に公示催告の申立てを行い、その手形や小切手が無効である旨の除権判決を受ける
面倒でも上記の手続きは必須です。失くしたの再発行を、と取引先に頼まれても安易に再発行をしてはいけません。取得した人がいると二重払いになる危険性があります。
大事なこと
その他、手形の注意事項をまとめました。
1 金額を入念に確かめて下さい。0の数を間違えれば大変なことになります。
2 支払い金額が訂正してあるものは受け取ってはいけません。再発行してもらいましょう。
3 手形用紙が銀行が提供したものでない場合は、受け取らない方がよいでしょう。銀行の用紙は銀行名が印刷されています。
4 振出し人の住所氏名が記載され、印鑑が押されているか確認しましょう。
5 支払期日が約束通りの日付であるか確認しましょう。
6 他人の手形で払ってもらうときには、裏を見て、裏書きの欄の最後に支払人の住所氏名印鑑があることを確認しましょう。なお、裏書人が多い手形は敬遠するべきです。
7 金額の入っていない状態で他人に渡すようなことは、どんな事情があってもやってはいけません。