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会社の運営

取締役や監査役に欠員が生じたときは

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欠員が生じたら株主総会を開いて補充する

例えば、取締役会設置会社で、取締役が3名しかいないのに1名が辞任、または死亡したとします。この場合、会社は遅滞なく後任の取締役を選任しなければなりません。

選任には株主総会を開催しなければなりません。

怠ると100万円以下の過料になることがあります。

遅滞なくとは、

大阪高等裁判所判決昭和37年12月10日
「すみやかに」は、「直ちに」「遅滞なく」という用語とともに時間的即時性を表わすものとして用いられるが、これらは区別して用いられており、その即時性は、最も強いものが「直ちに」であり、ついで「すみやかに」、さらに「遅滞なく」の順に弱まつており、「遅滞なく」は正当な又は合理的な理由による遅滞は許容されるものと解されている。

なお、株主総会の開催手続きは取締役会が行いますが、過半数の出席があれば取締役会が成立するので、3名中1名が死亡等で出席できない場合も取締役会を開くことができます。

取締役や監査役は自由に辞任できるか

取締役や監査役は、会社と委任の関係にあります(会社法330条)。受任者である取締役や監査役は、いつでも委任契約を解約して辞任をすることができます。

会社の承認がなければ辞任できないという契約をしていたとしても自由に辞任できるというのが一般的な考え方です。

ただし、欠員になってしまう場合には、その取締役や監査役は後任が就任するまで従前どおり取締役や監査役としての権利と義務を有します。

辞任登記も、新たに選任された取締役や監査役が就任するまでは受け付けてもらえません。

一時取締役または仮取締役

また、欠員が生じたときは、利害関係人(株主、他の取締役、他の監査役、債権者、使用人など)は、裁判所に請求して、一時的に取締役の職務を負うべきもの、「一時取締役」を選任してもらうことができます。

一般的には、定時株主総会の6ヶ月以上前に欠員が生じたときは、臨時株主総会を開催して後任取締役を選任し、定時株主総会前3ヶ月以内に欠員が生じたときは、欠員のまま定時株主総会を待って選任し、この中間の3~6ヶ月の時期であれば「一時取締役」を選任してしのぐのがよいといわれています。

同様に、監査役や会計参与についても、一時監査役(仮監査役)や一時会計参与(仮会計参与)を置くことができます。

補欠取締役または補欠監査役

欠員に備えて、取締役や監査役の後任候補として補欠の取締役や監査役を選任しておくことができます。補欠取締役や監査役には、取締役の補欠である「補欠取締役」と、監査役の補欠である「補欠監査役」があります。

補欠取締役や監査役は、補欠の代表取締役、常勤監査役、社外取締役、社外監査役として選任することもできます。

補欠取締役や監査役の選任は通常の取締役や監査役の選任と同様に株主総会の決議が必要です。定款で補欠取締役や監査役の選任について定めていない場合でも、会社法の規定を適用して選任することができます。

1人取締役が死亡したらどうなるか

かつては株式会社は取締役会が必須だったので、取締役が最低3名以上いましたが、今は取締役が1人の会社もあります。

1人取締役の会社で1人しかいない取締役が死亡したときは、株主総会を招集すべき取締役がいません。

会社法には、取締役がいなくても、株主全員の同意があれば、株主総会を開催できる旨の規定があるので、これを活用します。

株主全員の同意ですから、死亡した取締役が持っていた株式が問題になります。直ちに相続で株式の所有権を移す必要があります。相続がごたごたすれば株主総会も開けません。

どうにもならなければ、利害関係者が裁判所に申し立てて、一時的に職務を行う取締役を選任してもらう方法もあります。

現実問題としては、全部ひとりでやってきた人が亡くなった場合、株式の承継ができても、仕事の承継ができず、事業廃止という流れになることが少なくありません。

余裕のある選任を

一般論としては、3人以上のところを3人ギリギリでやっていると上述の問題があるので、非常勤でもいいので余裕をみてもう1名選任しておくのが無難です。

非公開会社で、定款で取締役会を設置しない会社の場合でも、1人は危険です。相談役のようなポジションでもう1名選任しておくのが無難です。