Last Updated on 2023年2月26日 by 勝
仕事中のケガは労災が原則
仕事中のケガには労災を使うのが原則です。とは言うものの、例えば、ちょっとした打撲などのように病院へ行っても一回で済んでしまうような軽症だと、多くの労働者は会社に労災だと申告しにくいと感じるものです。
また、こうした場合には、上司も本人から言ってこないことに乗じてそのまま流してしまいがちです。
ですが、ケガの大小にかかわらず、仕事中のケガは労災にするのが原則です。
労災にしないように指導したり、暗黙のうちにそのように仕向けることは違法です。あとでそれが原因でトラブルに発展すれば相当面倒なことになります。
ですから、労働者が遠慮して労災の適用を躊躇したとしても、会社としては「それでは会社が困る、きちんと申告しなさいという」のが本来の姿です。管理職にもそのように指導しておきましょう。確かに事故によって労災保険料が上がるリスクもありますが、労災を隠して、後に発覚するリスクのほうがはるかに甚大です。
健康保険証を使うリスク
労災になる事案で健康保険証を使ってはいけません。
労災にしないこと自体も問題ですが、健康保険を使う行為自体も問題をはらんでいます。健康保険は私傷病に対して給付されるものであって、仕事中のケガなどには使えません。使うことは禁じられているのです。使えないということは3割負担ではなく全額負担になってしまうということです。それを、家でケガしたように装って3割負担で済ませれば、健康保険から不当に給付を受けたことになります。
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