Last Updated on 2023年10月11日 by 勝
労働時間等に応じて比例付与する
有給休暇は正社員だけのものではありません。パートタイム労働者や有期雇用労働者も雇入れから6ヶ月すれば有給休暇を付与しなければなりません。
ただし、パートタイム労働者等については、労働日数や労働時間に応じて、有給休暇の付与日数を少なくすることがあります。これを比例付与といいます。
比例付与が適用されるのは、
週所定労働日数が4日以下(週以外の期間で労働日数が決められている場合は、年間所定労働時間が216日以下)
かつ
週所定労働時間が30時間以下の場合です。
つまり、週所定労働時間が30時間以上であれば、パートタイムであっても、比例付与の対象にできません。通常の労働者と同じ日数の年次有給休暇を与えなければなりません。
短時間勤務の従業員を一括してパートさんと呼んでいる事業場は注意が必要です。有給休暇に関しては労働日数と労働時間によって何分類ものパートとさんがいることを意識しましょう。
比例付与の計算例
比例付与の場合の計算式は次の通りです。
通常の労働者の付与日数×(週所定労働日数÷5.2)
計算例
週3日勤務で1年6ヶ月勤務だと、11×(3÷5.2)=6.346 となります。
1日未満は切り捨てとなるので、6日の付与となります。
有給休暇を取得した場合の賃金支給額は、時間給の場合には、所定労働時間を出勤したものとして賃金を計算します。
計算例
有給休暇を取得したその日の所定労働時間が6時間で、時給が1,000円の場合は、
6時間×1,000(円/時間)=6,000円 とになります。
付与日数
週所定労働日数が4日で1年間の所定労働日数が169日~216日
勤続期間 | 付与日数 |
6ヶ月 | 7日 |
1年6ヶ月 | 8日 |
2年6ヶ月 | 9日 |
3年6ヶ月 | 10日 |
4年6ヶ月 | 12日 |
5年6ヶ月 | 13日 |
6年6ヶ月以上 | 15日 |
週所定労働日数が3日で1年間の所定労働日数が121日~168日
勤続期間 | 付与日数 |
6ヶ月 | 5日 |
1年6ヶ月 | 6日 |
2年6ヶ月 | 6日 |
3年6ヶ月 | 8日 |
4年6ヶ月 | 9日 |
5年6ヶ月 | 10日 |
6年6ヶ月以上 | 11日 |
週所定労働日数が2日で1年間の所定労働日数が73日~120日
勤続期間 | 付与日数 |
6ヶ月 | 3日 |
1年6ヶ月 | 4日 |
2年6ヶ月 | 4日 |
3年6ヶ月 | 5日 |
4年6ヶ月 | 6日 |
5年6ヶ月 | 6日 |
6年6ヶ月以上 | 7日 |
週所定労働日数が1日で1年間の所定労働日数が48日~72日
勤続期間 | 付与日数 |
6ヶ月 | 1日 |
1年6ヶ月 | 2日 |
2年6ヶ月 | 2日 |
3年6ヶ月 | 2日 |
4年6ヶ月 | 3日 |
5年6ヶ月 | 3日 |
6年6ヶ月以上 | 3日 |
正社員転換時の扱い
パートタイマーから正社員に転換した場合は、パートタイマーとして勤務していた期間も勤続年数に加えなければなりません。週3日で3年勤務していた者が正社員として6ヶ月勤務した場合は、勤続3年6ヶ月となり、14日の有給休暇を与えることになります。
比例付与の部分を除けば、パート労働者であっても有給休暇の扱いは正社員と同等です。