Last Updated on 2021年7月29日 by 勝
計画的付与とは
計画的付与というのは、有給休暇をとる日を計画的に決めることです。
本来はリフレッシュのための有給休暇ですから、自分の休みたい日に休めばよいのです。しかし現実には、有給休暇をとりにくい会社も多いのです。そこで、ほぼ強制的に有給休暇を消化させればよいだろう、と考えられた制度です。
労使協定が必要ですから、労働側の賛同がなければ実施することができません。
また、合意があったとしても、有給休暇全部を計画的付与にすることはできません。それぞれの持っている有給休暇のうち5日を除いた残りの日数が計画的付与の対象です。
計画的付与制度のやり方
1.一定の日に全員が計画的付与をする
その事業所は休業となります。本来の夏季休業等に計画的付与を追加して長期の休暇をとることができます。
2.班・グループ別の交替制で付与する
半分とか3分の1の社員は出社して業務を行います。連続休業日を実施できない事業所が選択します。
3.一人一人の希望を取り入れて付与する
年間を通じてばらばらに有給休暇をとるので、事業所全体の業務には影響の少ない付与方法です。
会社の実態に応じた方法を選択します。
導入に必要な手続き
就業規則に定める
(有給休暇の計画的付与)
第〇条 5日を超えて付与した年次有給休暇については、従業員の過半数を代表する者との間に協定を締結したときは、その労使協定に定める時季に計画的に取得させることとする。
労使協定を締結する
労働組合または労働者の過半数を代表する者との間で、書面による協定を締結します。この労使協定は労働基準監督署に届け出る必要はありません。
労使協定で定める項目
① 計画的付与の対象者
② 対象となる年次有給休暇の日数
③ 計画的付与の具体的な方法
④ 対象となる年次有給休暇を持たない者の扱い
⑤ 計画的付与日の変更方法
④の対象となる年次有給休暇を持たない者の扱いは、事業所そのものが休みになる制度を採用したときに特に問題になります。休業中の工場にあえて出社させるのも現実的でありません。かと言って、追加の有給休暇を与えたり、休業補償を支払ったりすることも、社員とのバランスを考えると単純な話ではありません。労使でよく話し合い、納得が得られた方法で労使協定を締結する必要があります。
労使協定のサンプル
休暇日指定をしない場合のサンプル
→年次有給休暇の計画的付与に関する労使協定1
一斉取得をする場合のサンプル
→年次有給休暇の計画的付与に関する労使協定2