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労働時間

黙示の指示があれば労働時間になる

Last Updated on 2024年8月2日 by

黙示の指示とは

黙示(もくし)の指示とは、口に出して明確に言わないけれど、やらざるを得ないように仕向けることを言います。

黙示の指示は明示的な指示と同じ扱いになります。

うちの課では、いつのころからか分かりませんが、女性だけ早めに出勤して始業前に事務室の掃除を終えることになっています。

いつのころからか分からない、ということですから、今の上司が始めたことではないのでしょう。しかし、今の上司もこの状態が都合がよいと思って口を出さずに、結果的に続けさせているのでしょう。これも黙示の指示にあたります。

是非やらせてくださいと言うのであれば労働時間にならないかもしれませんが、それでもあとになって、空気に逆らえなくてやむを得ずやっていたと言われれば、いわゆるサービス残業と認定されることになるでしょう。

事務所の机をふくだけの簡易な掃除でも人を雇えばお金を払わなけれなりません。掃除をやってほしいのであれば、チャイムが鳴ってからの時間にお願いしましょう。

その他、時間内で終われない量の仕事を与えているのに時間外労働を許可しない。上司が帰った後に仕事を継続しているのが明らかなのに時間外労働として扱わない。なども明示的な指示でないとしてもサービス残業をしなければならない状態に仕向けているので黙示の指示にあたります。


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