Last Updated on 2024年11月8日 by 勝
時差出勤制とは
時差出勤制とは、始業時刻を遅らせ(または繰り上げて)、終業時刻をその分延ばす(または繰り上げる)勤務制度です。
時差出勤自体は、臨時に業務上の必要が生じたときは、使用者の命令でさせることができます(就業規則にそうしたことがあると定めている場合です。残業命令と同じです)。
時差出勤制は、会社にとっては仕事の繁忙に合わせられるなどのメリットがあります。また、従業員の方も、制度によっては、混雑時間帯を避けて通勤できる。子どもの送り迎えに都合がよいなどのメリットがあります。
労使協定は必要なく、就業規則の改定で実施できます。
この方法で対応できるのは、まれに必要が生じる職場です。頻繁に繰上げ繰下げが実施されるのであれば、就業規則に具体的に定める必要があります。
例えば、「8時~17時」「9時~18時」「10時~19時」など、どれを選択しても1日の所定労働時間は変わりませんが、あらかじめ定めたパターンから選択できる制度です。フレックスタイム制に近いやり方ですが、フレックスタイム制は、出勤時刻や退社時刻を従業員が自主的に決めることのできる制度で、時差出勤制の方は一定の制約があります。ある程度は自由にしたいが、フレックスタイム制にまでは踏み切れないという会社が採用することが多いようです。
季節によって全員が一斉に勤務時間を早くする「サマータイム」や、「朝型勤務」へのシフトも時差出勤制の応用です。
規定例
輪番制による時差出勤の規定例
(労働時間及び休憩時間)
第〇条 労働時間は、1週間については40時間、1日については8時間とする。
2 始業・終業の時刻及び休憩時間は、次のとおりとする。ただし、業務の都合その他やむを得ない事情により、これらを繰り上げ、又は繰り下げることがある。この場合において業務の都合によるときは、所属長が前日までに通知する。
① 一般勤務
始業時刻 午前〇時〇分
終業時刻 午後〇時〇分
休憩時間 午後〇時〇分より1時間
② 一番交替勤務
始業時刻 午前〇時〇分
終業時刻 午後〇時〇分
休憩時間 午後〇時〇分より1時間
③ 二番交替勤務
始業時刻 午前〇時〇分
終業時刻 午後〇時〇分
休憩時間 午後〇時〇分より1時間
④ 三番交替勤務
始業時刻 午前〇時〇分
終業時刻 午後〇時〇分
休憩時間 午後〇時〇分より1時間
3 就業番は原則として〇日毎に〇番を〇番に、〇番を〇番に、〇番を〇番に転換する。
4 一般勤務から交替勤務へ、交替勤務から一般勤務への勤務交替は、原則として休日又は非番明けに行うものとし、所属長が各人に通知する。
サマータイムの規定例
(労働時間及び休憩時間)
第〇条 労働時間は、1週間については40時間、1日については8時間とする。
2 始業・終業の時刻及び休憩時間は、季節ごとに次のとおりとする。ただし、業務の都合その他やむを得ない事情により、これらを繰り上げ、又は繰り下げることがある。この場合において業務の都合によるときは、所属長が前日までに通知する。
① 夏季(〇月〇日~〇月〇日)
始業時刻 午前〇時〇分
終業時刻 午後〇時〇分
休憩時間 午後〇時〇分より1時間
① 冬季(〇月〇日~〇月〇日)
始業時刻 午前〇時〇分
終業時刻 午後〇時〇分
休憩時間 午後〇時〇分より1時間
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