Last Updated on 2023年4月12日 by 勝
介護する人の残業時間制限
労働基準法で定められた法定労働時間(1日8時間、週40時間)を超えた時間外労働を制限してもらうことができます。
育児介護休業法には、36協定によって時間外労働をさせることができる事業場において、対象家族を介護する労働者が請求した場合は、制限時間(1ヶ月について24時間、1年について150時間)を超えて労働時間を延長してはならないという規定があります。
残業を一切しないさせないということではなく、長時間になることを制限している規定です。
認めない場合
事業に支障がある場合
事業の正常な運営を妨げる場合はこの限りでない、とも定められていますが、「事業の正常な運営を妨げる場合」というのは非常に限定的に解釈しなければならないとされています。忙しいからだめだ、というだけでは通りません。
その労働者の所属する事業所を基準として、その労働者の担当する作業の内容、作業の繁閑、代行者の配置の難易等諸般の事情を考慮して客観的に判断することになります。
除外できる従業員
次の従業員からの請求を拒むことができます。(育児介護休業法第 17 条第1項及び第 18 条第1項並びに則第 52 条及び第 56 条)
1.日雇従業員
1.入社1年未満の従業員
2.1週間の所定労働日数が2日以下の従業員
法定されているので、制限労働者の範囲を拡大することはできません。労働者に有利なように範囲を狭くすることはできます。
請求の手続き等
時間外労働の制限を請求する1ヶ月以上1年以内の期間(制限期間)について、その初日及び終了予定日を明らかにして、初日の1ヶ月前までに請求する必要があります。
制限期間は、所定外労働の制限期間と重複しないようにしなければなりません。
請求がされた後、初日として日の前日までに、対象家族の死亡その他の当該請求に係る対象家族の介護をしないこととなった事由が生じたときは、当該請求は、されなかったものとみなされます。この場合、労働者は、当該事由が生じた旨を遅滞なく会社に通知しなければなりません。
次の各号に掲げるいずれかの事情が生じた場合には、制限期間は当該事情が生じた日に終了することになります。
1.終了予定日とされた日の前日までに、対象家族の死亡その他の対象家族介護しないこととなった事由が生じたこと。この場合、労働者は、当該事由が生じた旨を遅滞なく通知しなければなりません。
2.終了予定日とされた日までに、請求をした労働者が、産前産後休業、育児休業又は介護休業が始まったこと。
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