Last Updated on 2024年10月18日 by 勝
原則として所定時間外労働をさせてはならない
3歳に満たない子を養育する従業員(日雇従業員を除く)が請求した場合は、所定労働時間を超えて労働させてはいけません。
令和6年5月31日に成立した改正育児介護休業法により、所定外労働の制限の対象となる労働者の範囲は、現行の3歳に満たない子を養育する労働者から、小学校就学前の子を養育する労働者に拡大されることになりました。(令和7年4月1日施行です。)
子が3歳になり小学校に入るまでは、「育児のための時間外労働の制限」を申し出ることで、残業の免除ではなく、「1か月について24時間、1年について150時間」を超えないように残業時間の制限をしてもらえることになります。
関連記事:育児のための時間外労働の制限
請求時期
所定時間外労働の制限を請求する1ヶ月以上1年以内の期間(制限期間)について、その初日及び終了予定日を明らかにして、初日の1ヶ月前までに請求する必要があります。
管理監督者の扱い
この扱いは、労働基準法による管理監督者には適用されません。ただし、単に管理職であるだけでは免除請求を拒むことはできません。労基法上の管理監督者に該当するかどうかの検討が必要です。
関連記事:管理監督者とは
事業の正常な運営について
法16条の8に「ただし、事業の正常な運営を妨げる場合は、この限りでない。」という規定があります。
ただし、この規定は限定的に解釈する必要があります。「事業の正常な運営を妨げる場合」に該当するか否かは、その従業員の所属する事業所を基準として、その従業員の担当する作業の内容、作業の繁閑、代替要員の配置の難易等諸般の事情を考慮して客観的に判断しなければなりません。請求に対応できるように相当の努力をする必要があり、単に「忙しい」ということでは理由になりません。
労使協定による除外
労使協定の締結を条件として次の従業員からの請求を拒むことができます。
関連記事:育児休業等の対象者と適用除外者
制度運用の注意点
所定労働時間の短縮適用者にも適用されます。この措置を請求しているのであれば短縮された時間を超えて残業を命じることができません。
変形労働時間制が適用される従業員も、労使協定等による適用除外に該当しない限り、所定時間外労働の免除の対象になります。
対象となる労働者が、所定時間外労働の免除を請求したこと等を理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはいけません。
会社事務入門>出産と育児を支援する諸制度>このページ