Last Updated on 2025年8月10日 by 勝
定年を控えた従業員と人事担当者の会話です。
再雇用制度について人事から説明がありました
登場人物
- 山田さん: 定年を控えた従業員
- 佐藤さん: 人事担当者
佐藤さん: 山田さん、お忙しいところありがとうございます。本日は、定年後の働き方についてお話しさせてください。
山田さん: はい、よろしくお願いいたします。そろそろ定年なので、どうなるのか気になっていました。
佐藤さん: 企業は高年齢者雇用安定法に基づいて、定年後の継続雇用制度を設けなければなりませんが、当社は、継続雇用制度のうち、再雇用制度を採用しています。山田さんにも「再雇用制度」が適用されます。
山田さん: 再雇用制度とは、具体的にはどのようなものですか?
佐藤さん: はい。再雇用制度は、まず60歳で一度定年退職していただきます。その際、退職金が支払われます。その後、山田さんが働き続けることを希望されるのであれば、改めて当社と新しい雇用契約を結び、引き続き働いていただく制度です。
山田さん: なるほど。一度退職するのですね。新しい雇用契約では、今までと働き方は変わるのでしょうか?
佐藤さん: はい。雇用形態は正社員から「嘱託社員」という形になるので、期間の定めのある契約となります。勤務時間や所属部署はこれまでと同様になるのが原則ですが、ご本人の希望や体力、会社の状況を考慮して、相談の上で決定することになります。また、現在の役職からはずれて部長付という形になります。お給料についても、新しい給与が適用されます。
山田さん: 再雇用された場合の契約期間は何年になるのですか?
佐藤さん: 法律では65歳までの雇用確保が義務付けられていますので、ご希望があれば65歳までは確実に働いていただけます。もし65歳以降も働きたいというご希望があれば、その時の状況に応じて、さらに70歳までの就業機会をご提供できるよう努めています。
山田さん: 嘱託社員になって、名刺の上では部長付という肩書がもらえるのですね?
佐藤さん: はい。そうなります。
山田さん: そうすると、直属の上司は部長ということになりますか?
佐藤さん: それは個々のケースで異なりますが、当社ではこれまで再雇用制度適用者の直接の上司は課長ということになっています。山田さんもおそらくそうなります。
山田さん: 勤務時間や所属部署は希望によって変わることがあると受け止めましたが、例えばパート勤務にしてもらうこともできるのですか?部署も希望が通りますか?
佐藤さん: それも個々のケースで異なりますが、当社ではパート勤務希望についてはほとんど希望通りになっています。所属部署の希望については、希望部署の事情によっては難しいかもしれませんが、できるだけ希望に沿うように心がけます。
山田さん: 給料についてはどうですか?正確な金額がわからなくても、目安だけでも知っておきたいのですが?
佐藤さん: 給料については、新しい契約でどのような仕事をどれくらいの責任でやることになるかによって異なりますが、あくまでもご参考までに申し上げると、これまでの例では、基本給が◯割減となることが多いようです。それと、管理職手当がなくなります。
山田さん: そうですか。
佐藤さん: 詳しい条件については、今後、ご相談させていただきます。山田さんのご経験とスキルは当社にとって貴重な財産ですので、引き続きご活躍いただけると大変ありがたいです。
佐藤さん: 他になにかご質問はありませんか?
山田さん: すこし話がずれますが、この再雇用制度そのものについて少し質問してよろしいですか?
佐藤さん: どうぞ。私に分かることでしたらなんでも。
山田さん: 当社では、定年後の継続雇用については、再雇用制度を採用しているということですが、他の制度を希望しても選べないということなんですか?
佐藤さん: そうなんです。これは、当社の就業規則によって、再雇用制度にすると決めてあるんです。
山田さん: 定年の延長や定年の廃止は検討されなかったのでしょうか?
佐藤さん: 一応検討したようですが、給与総額が増加する問題、若い社員に役職を提供しづらくなる問題、などが役員会で協議されて再雇用制度の採用になったと聞いています。
山田さん: 今日はありがとうございました。具体的な条件を示していただけるのはいつになりますか?
佐藤さん: 来月半ばを予定していますが、できるだけ早くご連絡いたします。今日はありがとうございました。
会社事務入門>継続雇用制度のあらまし>このページ