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賃金

研修費用の課税非課税

Last Updated on 2019年11月18日 by

会社の業務を行うために直接必要な場合には、給与として課税されません。しかし、直接必要でないとされると給与として課税されます。

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外部研修への参加費用

従業員のスキルアップのために、社外研修に参加させたときの費用は、研修の内容が、その受講した社員の仕事に直接関係のある技術や知識を習得するための費用である場合で、その費用が適正な金額であれば、給与として課税しなくてもよいことになっています。

実際に研修が行われている場合は、その費用処理が問題になることはほとんどありません。

研修の実態が無いのでは、と疑われると問題になります。

外部研修に参加させたときは、研修の案内状、当日の配布資料を保存し、かつ、参加者のレポートもあわせて、税務調査の際に提示できるようにしておきましょう。

自己啓発研修への参加費用

自己啓発研修の費用は以下の条件を満たせば非課税とされます。

① 研修は、使用者の業務遂行上必要なものであること又は従業員の職務の遂行と密接に関連するものであること。
② 研修の受講及び事業主の負担につき各従業員の間に差が設けられていないこと。
③ 非課税とされる金額は、当該研修を受講するために要する費用として適正なものであること。

「外部研修会」は「直接の」でしたが、こちらは「密接に関連」となっています。実際に判断は微妙だと思いますが、上記②③の条件を満たしていれば、研修内容については比較的幅広く認められるようです。

宿泊を伴う研修への参加

費用の中に、直接必要な部分と直接必要でない部分がある場合には、直接必要でない部分の費用は、参加する人の給与として課税されます。

日中は研修をやっていたとしても、夜の懇親会(食事程度であれば宿泊費用の一部として認められると思いますが)、翌日のゴルフ、研修内容と関係がない名所旧跡への視察などは区分しなければなりません。

区分が難しければ、費やした時間の比率で按分してもよいでしょう。

次のような旅行は、名目が研修であっても、原則として経費処理は認められません。

1.同業者団体の主催する、主に観光旅行を目的とした団体旅行
2.旅行業者などが主催する団体旅行
3.観光渡航の許可をもらい海外で行う研修旅行

奨学金等の金銭的支援

会社が、従業員に対して奨学金を支給したり、学費を負担して通学させるような場合は、原則としては、給与になります。

ただし、会社の負担した費用が次のいずれにも該当するものであるときは、非課税となり、源泉徴収する必要がありません。

① その知識や技術を取得することが会社の業務遂行上必要であること
② その知識や技術がその従業員の職務に直接必要なものであること
③ その費用が適正であること

この基準は、資格取得費用の負担についても同様です。

つまり、その資格が会社の業務に直接必要であるならば、その取得費用は会社が負担しても給与になりませんが、業務を遂行する上で直接必要でない資格だとみなされるものであれば、たとえ会社にとって間接的に有益な影響があるもの(たとえばとても難易度の高い資格)であっても、その費用は、給与として取り扱われます。