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労働災害

労災保険の認定と不認定の例

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どういうケースが労災になるか

労災に認定されるかされないか、簡単に認定される場合もあるし、認定されるだろうと思っていてもされないこともあります。ここでは、参考までに、これまでの事例を説明します。

〇は労災に認定される可能性が高いケース、×は労災に認定される可能性が低いケース、△はその他の状況によるケースです。

必要かつ合理的な行為

マニュアル等に定められた行動や上司の指示命令による行動は業務上の行為です。もし、指示命令がなくても、仕事のために必要な行為、合理的な行為であれば業務上の行為となります。必要性・合理性がないと判断されると労災に認定されません。

会社で火災が発生し、すでに手が付けられない状況だと判断した上司がやめろと言ったのにもかかわらず入ったことで負傷した ・・・△

社宅の近くの民家から出火して、社宅一部にも火が回ったところ、消火作業に当たった社員が負傷した ・・・×

業務で他社に行ったとき、たまたまストーブの煙突取り外し作業をしていて難渋していたのを目撃した。そこで自ら手伝いを買って出て、事務所に隣接して立っている木に登って手伝ったところ、枝が折れて落下死亡した ・・・×

得意先を訪問中に、顔なじみの得意先社員がトラックに荷物を積み込んでいるのを見かけ、善意で手伝ったところ、荷物の下敷きになって負傷した ・・・△

とっさの行為

業務と関連が無くても、反射的行為は業務と認められることがあります。

帽子が飛ばされて、とっさに追いかけたら車にはねられ死亡した ・・・〇

タオルが飛ばされて屋根に落ち、取りにのぼったがすべり落ちてケガをした ・・・×

生理的な行為

人の生理的な行為は、業務関連性が認められています。

トイレのドアに指を挟んでケガをした ・・・〇

のどが渇いたので仕事を中断して水飲み場に行く途中転んでケガをした ・・・〇

タバコを吸いに喫煙所に向かう途中で落下物があってケガをした ・・・△

故意や危険な行為

故意に事故を起こしたらまったく補償されません。労働者に重大な過失がある場合には支給制限が行われることもあります。通常ありうるミスであれば労災に認定されます。また、常識で考えれば危ないことが分かり切っ ていることをあえてやってケガをした場合も同様です。労働者に重大な過失がある場合は支給制限されることがあります。

二日酔いで機械を操作してケガをした ・・・△

赤信号なのに道路に飛び出して車にひかれ死亡した ・・・×

工場の敷地の雑草を焼くのにガソリンをまいて、引火してやけどした ・・・×

レクリエーションへの参加

会社行事のレクリエーションであっても、そこでのケガなどは原則として労災になりません。参加への強制力の強さで判断されます。

休めば欠勤扱いになる会社の運動会に参加してケガをした ・・・〇

是非出場しろと上司から言われた野球大会でケガをした ・・・△

得意先とのゴルフでケガをしたが、会社の稟議決裁を得ていた ・・・〇

出張中の事故

出張中は、寝ているときも含めて業務関連性が認められます。したがって、ほとんどの場合労災が認定されますが、出張目的から大きく逸脱していた場合は別です。

同行者と夕食をとり酒を飲んでホテルへ帰る途中で転んでケガをした ・・・〇

夕食で酒を飲み、さらに数軒飲み歩いて、泥酔状態で転んでケガをした ・・・×

用務と関係ない観光地に寄り道したところ、車にはねられ死亡した ・・・×

宿泊先のホテルで火災がおき、煙にまかれて死亡した ・・・〇

会社に届けたホテルに泊まらず、温泉に宿泊して火災に遭い死亡した ・・・×

病気と労災認定

その病気が、本当にその業務に原因があるのか、他に要因はないのかも考慮したうえで認定が決まります。本人の普段の健康状態、生活環境、生活習慣とも関係するので大変難しい判定になります。

仕事上のケガによる傷口から黴菌が入って敗血症になった ・・・〇

仕事上のケガで手術した際、輸血が原因で肝炎になった ・・・〇

ビルの解体作業に従事していた労働者が、退職後中皮腫と診断された ・・・〇

マラリアの流行地に出張してマラリアに感染した ・・・〇

炎天下の作業で熱中症になった ・・・〇