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事務手続

契約書の書き方

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契約書とは

契約書とは、2名以上の個人・法人が、何らかの「約束事」をしたときに、その内容を、文書にしたものです。

契約自体は契約書がなくても口頭だけでも成立します。

「この壁を直してほしい」
「〇万円でやります」
「それじゃお願いします。いつまでにできますか」
「今月中にやります」

これで充分なわけです。

しかし、社会は複雑でいろいろな問題が生じることがあるので、これを文書にして、記名押印して、約束を破られたときに備えるのです。

契約書に記載するべき事項

□ 基本契約書、売買契約書、業務委託契約書などの契約書のタイトル
□ 何をすることを約束するのかという契約する具体的内容
□ いつまでに、いつからいつまでするなどの時期に関すること
□ 代金はいつ払うか、どのようにして払うかなどの支払いに関すること
□ 契約書を作成した日付
□ 当事者の記名押印

一般的には以上ですが、契約書の内容によってはもっと必要事項が多くなります。

以下で、項目別に説明します。

タイトル

契約書には「〇〇契約書」などと契約書のタイトルを書きます。第一行目にセンター寄せして書くのが普通です。

「覚書」「約定」などを使うこともあります。いずれも契約書に変わりありません。

契約する内容

前文

タイトルの次に、どのような契約をするのか、要約した文章を書きます。前文を省略しても、本文に書くべき内容が網羅されていれば問題ありません。

前文の例

「〇〇株式会社(以下「甲」という)と〇〇株式会社(以下「乙」という)の間で、以下の通り業務委託契約を締結する」

なお、このように、当事者名を正式名で記載し、カッコ書きで「甲」「乙」「丙」などと定義するのは、後の文章を簡潔にするためです。本文中でも、繰り返して使う用語が出てくればこのやり方を用います。

本文の内容

本文は第1条から始まります。

本文中に、
□ 何をすることを約束するのかという契約する具体的内容
□ いつまでに、いつからいつまでするなどの時期に関すること
□ 代金はいつ払うか、どのようにして払うかなどの支払いに関すること
などを記載します。

条を更に区分する必要がある場合は、条の下に改行して「項」を入れます。項を更に区分する必要がある場合は、甲の下に「号」を入れます。

この作り方は、法律の作り方に倣ってます。

労働基準法施行規則の一部をごらんください。

「第七条の二 使用者は、労働者の同意を得た場合には、賃金の支払について次の方法によることができる。
一 当該労働者が指定する銀行その他の金融機関に対する当該労働者の預金又は貯金への振込み
二 当該労働者が指定する金融商品取引業者(金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号。以下「金商法」という。)第二条第九項に規定する金融商品取引業者(金商法第二十八条第一項に規定する第一種金融商品取引業を行う者に限り、金商法第二十九条の四の二第九項に規定する第一種少額電子募集取扱業者を除く。)をいう。以下この号において同じ。)に対する当該労働者の預り金(次の要件を満たすものに限る。)への払込み
イ 当該預り金により投資信託及び投資法人に関する法律(昭和二十六年法律第百九十八号)第二条第四項の証券投資信託(以下この号において「証券投資信託」という。)の受益証券以外のものを購入しないこと。
ロ 当該預り金により購入する受益証券に係る投資信託及び投資法人に関する法律第四条第一項の投資信託約款に次の事項が記載されていること。
(1) 信託財産の運用の対象は、次に掲げる有価証券((2)において「有価証券」という。)、預金、手形、指定金銭信託及びコールローンに限られること。
(i) 金商法第二条第一項第一号に掲げる有価証券
(ii) 金商法第二条第一項第二号に掲げる有価証券
(iii) 金商法第二条第一項第三号に掲げる有価証券」

この条文では、上の下に「一二・・・」があり、その下に「イロ・・・」があり、その下に「(1)(2)・・・」があり、その下に「(i)(ii)・・・と続いています。

このように、なるべく文章を長くしないために、箇条書きを重ねていきます。

あいまいな表現を用いない

契約書の文章はあいまいな言葉は最もよろしくありません。誰が読んでも同じ意味として解釈できるように書くことが重要です。

上記の例においても、

「当該預り金により投資信託及び投資法人に関する法律(昭和二十六年法律第百九十八号)第二条第四項の証券投資信託(以下この号において「証券投資信託」という。)」

このように、単に「証券投資信託」と言わずに、細かく定義しています。

もっとも、こういう書き方をするので、法律や契約書が難解になって、ろくに見ないでハンコを押す人がでてくるのですが・・・。

主語を省略しない

上記の例においても、

「第七条の二 使用者は、・・・」と明確にしています。

代名詞を使わない

「その」などという言葉は用いず、長くなってもきちんと書きましょう。

具体的に記載する

例えば、商品代金の支払い日に関して、「商品検品後、速やかに支払う」という記述はよろしくありません。具体的に記載しなければなりません。

また、すべて文書化するのは大変なので、「〇〇については甲乙協議により定める」という条文もよく見かけます。何も起こらなければ問題ないのですが、問題が発生すると、実際にはなかなか協議がまとまらず、結局、弱い立場の方が泣きを見る可能性があることは覚悟しておきましょう。

末文

契約の成立確認、どちらが何枚持つといった内容を書きます。

末文の例

「本契約成立の証として本書2通を作成し、甲乙が記名押印のうえ、各1通を保有する。」

契約書を作成した日付

契約を取り交わした日付を記入します。相手方から、こちらで書くので未記入に、と頼まれることがあります。信用できる相手先ならよいのですが、一般的には自分で契約当日の日にちを記載しなければなりません。

署名捺印または記名押印

契約当事者がそれぞれ、署名(本人が自筆で名前を書くこと)、または記名(ゴム印や印刷など自筆によらないで名前を書くこと)し、押印(印を押す)します。

一般的には、記名押印です。

押す印鑑は実印を使うか、それ以外の印を使うかは、契約書の重要性を考慮して双方の合意で決めます。登記などで実印を求められる書類であれば実印にしなければなりません。実印を使ったときは印鑑証明書を添付するのが一般的です。

契約当事者は、一般的には、代表権のある社長等の名前で契約しますが、規模の大きい会社等では担当する取締役、担当する部長などの部門責任者が記名押印する例もあります。

印紙を忘れない

契約の内容によっては印紙を貼る必要がある場合があります。

印紙税のあらまし

複数枚の契約書になる場合は契印

複数枚になる場合は、改ざんや抜き取りを防ぐために「契印」が必要です。

契印と割印

終わりに

ネット上にいろいろな契約書サンプルが公開されています。サンプルを活用することは問題ありません、というより、普通はサンプルがないと契約書を作れません。ただし、鵜呑みにしてコピーするのではなく、内容を理解したうえで使わなければなりません。