Last Updated on 2023年3月7日 by 勝
関係会社とは 子会社とは 関連会社とは
「関係会社」とは関係する会社を包括的に表す用語です。関係会社の中に「親会社」「子会社」「関連会社」並びに「財務諸表提出会社が他の会社等の関連会社である場合における当該他の会社等」が含まれています。
親会社によって総株主の議決権の過半数を所有されている会社を子会社といいます。ただし、過半数に達していなくても実質的に支配されている場合は子会社とみなされる場合があります。
株式会社が、出資、人事、資金、技術、取引等の関係を通じて、財務、営業、事業の方針について重要な影響を与えることができる会社のことを関連会社といいます。一般的には、子会社以外の会社で、議決権の20%以上を所有されている会社を関連会社といいます。ただし、20%に達していなくても実質的に支配されている場合は関連会社とみなされる場合があります。
親会社と関係会社の関係
会計処理では、親会社は自社の決算のほかに、子会社を含めた連結決算を行ないます。関連会社については持分法により処理します。関係会社、とりわけ子会社の業績好調であればその業績が連結決算に反映し、大変好ましい状況になりますが、業績が悪化した場合には連結決算にマイナスの影響を蒙ることになります。業績面では一体なのです。
事業の上では、子会社は、親会社の一部門と変わりありません。同じ地域で競業する事業を行うことは原則としてありません。
子会社は、対外的に〇〇社の子会社などという表示が義務付けられているわけではないので、普通の会社として活動することができます。法的にも独立した法人として登記され、登記簿上には関係会社であることは表示されません。
上記のように登記簿には現れませんが、株式公開企業であれば関係会社を開示しなければなりませんし、公開会社でなくてもグループ企業の存在を秘匿する例は少ないので、どの会社がどの企業グループに属しているかは周知のことになっている場合が多いです。
また、関係会社で重大事故が発生した場合には、親会社への影響は避けられません。法的責任は無い場合でも、社会的責任を問われることがあります。
関係会社管理のコツ
親会社は関係会社に対する適切な管理体制を日常的に機能させることが必要です。ただし、親会社風を吹かして頭ごなしにやれば、何も自主的なことは出来ないという後ろ向きの気持ちを持たせてしまいます。関係会社の管理は、厳しすぎても失敗し、放任すれば失敗するという、子育てに通じるところがあります。
社長などの役員を送り込むことは広く行われています。しかし、関係会社に人材がいれば、内部から積極的に登用するべきす。関係会社の社員に、いくら頑張っても限度があるという閉塞感を持たせてはいけません。
親会社としての統制を確かにするためには、役員の派遣は欠かせませんが、株式などで支配権は確立しているのですから取締役会での過半数にこだわることはありません、あえて社長を取る必要もありません。数人の役員を送り込むことで充分でしょう。
また、自社の役員や社員から派遣するだけでなく、社外取締役も積極的に登用させ、監視機能を強めることも必要です。
親会社への定期的な報告については、あまり、細々と決めても、うるさがられるだけであり、また、実質的な意味に乏しいものです。月次決算を書面で報告させ、定期的な会計監査を実施するだけで充分でしょう。
業績の悪化については、対応策の基準を前もって決めておく必要があります。例えば、2年連続の赤字であれば、社長を交替させる。それでもさらに2年赤字が続けばその関係会社の閉鎖も視野に入れて検討する。などと、明文化しておくべきです。また、赤字額の許容限度も併せて決めておきましょう。一定の限度を超えてしまったら2年などと悠長なことは言っていられません。
関係会社の社員は、できるだけその会社で採用したものに限るべきです。親会社の余剰人員を押し付けるようでは、絶対に発展させることはできません。
関係会社の成長を支援する
親会社のある部分を専業的に補完する目的で設立される関係会社もあります。多くは子会社として設立されます。
例えば、親会社の物資のみを輸送する運送会社のような場合ですが、この場合でも別法人として設立された以上は、その能力を生かして、他からの受注を増加させ、親会社への依存度を減らし、自立できるように、親会社も当事者である子会社も、意識的に行動しなければなりません。
親会社から安定的な商売を回される子会社は、いつしか努力を怠り、コスト感覚に乏しくなってしまいます。そうしているうちに従業員が高齢化し、技術力のレベルが低下し、親会社のお荷物のなってしまうことがあります。
特例子会社
障害者の雇用の促進等に関する法律で障害者雇用率が設定されています。一定の要件を満たせば、子会社で雇用した障害者を親会社の雇用カウントに含むことができ、この場合の子会社を特例子会社といいます。