Last Updated on 2025年8月13日 by 勝
適性・能力のみを選考の基準にする
採用選考は、応募者の基本的人権を尊重し、応募者の適性・能力のみを選考の基準とすることが大切です。よって、以下のようなことは、応募書類で記載を求めてもならず、面接で質問してもならないことになっています。面接担当者への周知が必要です。
■本人に責任のない事項
・本籍・出生地に関すること
・家族に関すること(職業、続柄、健康、地位、学歴、収入、資産など)
・住宅状況に関すること(間取り、部屋数、住宅の種類、近郊の施設など)
・生活環境に関すること(生い立ちなど)
■本来自由であるべき事項
・宗教に関すること
・支持政党に関すること
・人生観、生活信条に関すること
・尊敬する人物に関すること
・思想に関すること
・労働組合・学生運動など社会運動に関すること
・購読新聞・雑誌・愛読書などに関すること
採用選考チェックリスト
厚生労働省では、次のようなチェックリストを示して注意を呼びかけています。
□ 求人票は採用方針等に基づき、正しく記載されていますか。
□ 職務遂行能力を条件とした基準ができていますか。
□ 公正に評価する方法がとられていますか。
□ 応募者の資質や長所を見出すための配慮がされていますか。
□ 募集・応募書類は適正なものですか。
□ 画一的な健康診断を実施していますか。
□ 学科試験は、職務遂行に必要な専門知識をもっているかどうかを判断するために実施していますか。
□ 作文のテーマ「私の生い立ち」、「私の家庭」等本人の家庭環境にかかるものや、思想、信条を推測するためのものを課していますか。
□ 適性検査の実施やその判定及びその利用には、専門的知識のある人が当たっていますか。
□ 面接によって判断する目標が明らかになっていますか。
□ 外面的な容姿、態度等にとらわれず、客観的に判断できる方法、基準が確立されていますか。
□ 質問内容について十分検討がなされていますか。
□ 面接を受ける人の基本的人権が十分に尊重されていますか。
□ 面接担当者には、適切な人がなっていますか。
□ 家庭状況等の身元調査を実施していますか。
□ 公平な選考結果であるか、応募者の能力・適性を総合的に評価しているかについて、再点検していますか。
□ 不採用とする場合、その理由を明確にしていますか。
□ 採用についての承諾書に、事業主側の一方的な考え方による取消留保条件をつけていますか。
□ 入社の際、戸籍謄(抄)本、住民票等の提出を画一的に義務付けていますか。
面接者の教育が必要
人事担当者は勉強や経験によって、人物判断のポイントや、どのような質問をしてはいけないかという禁止事項が頭に入っていることが多いのですが、現場の幹部などが面接者として入ると、不慣れなため意図せず問題発言をしてしまうことがあります。
応募者を不快にさせる質問や発言は、企業イメージを傷つけることになります。面接者研修が実施できればよいのですが、できない場合でも、注意事項を記載した文書を作成し、面接前に読んでもらうくらいのことは必要だと思います。
面接票を作成する
適正な面接を実施するために、着眼点や判断の基準がひと目でわかる面接票を配布することが有効です。