Last Updated on 2023年3月4日 by 勝
従業員にお祝い事や不幸があったときの対応
従業員が結婚するなどのお祝い事、従業員の家族に不幸があるなどの弔事、これらは個人的な事柄ではありますが、多くの会社ではなんらかの対応をしています。
一般的には、そうした慶弔があったときは一定の休暇を与え、お祝い金や香典等を渡しています。
慶弔休暇
結婚や出産、近親者の死亡などのとき、従業員は多くの場合会社を休んで対応しなければなりません。その際、従業員の立場を考慮し休みを取りやすいようにあらかじめ一定の場合に何日の休暇を与えると就業規則等に定めるのが慶弔休暇です。
慶弔休暇を取らなくてはならないようなことは多くあるわけではありませんが、長い間には必ずと言ってよいくらい出くわすものです。
慶弔休暇は労働基準法等の法律に定められているものではなく、会社が福利厚生の一環として独自に定めているものです。したがって、日数は会社によって異なります。また、この慶弔休暇が有給でとれるか無給になるかも会社の定めによります。
就業規則の規定例→慶弔休暇|就業規則
一般的には、本人の結婚には5日くらい、配偶者の出産に1日~2日、親等の身近な親族の死亡には5日くらい、その他の親族の死亡には2日くらいが多いようです。
慶弔見舞金
結婚や出産、近親者の死亡などのとき、会社からお祝い金や香典等が支払われるのが一般的です。これらを慶弔見舞金といいますが、支払うかどうか、支払うとすればいくら払うかはその会社の定めによります。
就業規則の規定例→慶弔見舞金|就業規則
別規程の例→慶弔見舞金規程
慶弔見舞金の課税関係
会社としては、規程を定めて支給する多額でない慶弔見舞金は、福利厚生費として経費になります。
受け取る従業員の方は、どうでしょうか。
実は、法的には賃金として扱うことになっています。原則的には所得税を引かれる対象になるのです。
しかし、実際には、そのように扱われることはほとんどありません。
それは、社会的慣習として一般に行われてきたことなので、ほどほどの金額であれば課税しないという扱いになっているからです。
具体的には、次の要件を満たしたときに、非課税になります。
① 就業規則等に定められた基準にしたがって支給されるものであること
② 結婚・出産等の祝金等のように社会的慣習として一般に行われているものであること
③ 金額が社会通念上相当と認められること
また、社会保険等についても、ほぼ同様の扱いですから、祝い金や香典をもらったことで健康保険料等が上がることはありません。