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労働基準法

同居の親族、家事使用人の扱い

Last Updated on 2023年3月5日 by

労働基準法による適用除外

労働基準法は労働基準法が適用されない「労働者」について定めています。

労働基準法第116条2 この法律は、同居の親族のみを使用する事業及び家事使用人については、適用しない。

同居の親族のみを使用する事業とは

同居とは

ここでいう「同居」とは単に一緒に住んでいるだけでなく、生計を同一にしている場合を言います。

親族とは

ここでいう「親族」とは「6親等内の血族、配偶者および3親等内の姻族」という、民法上の親族を言います。

事業とは

「事業」が対象になっています。

つまり、116条の2は、同居の親族のみを使用する「事業」を労働基準法から適用除外する規定であって、「同居の親族」を労働基準法の適用から除外するものではありません。

つまり、「同居の親族しかいない事業」は適用除外ですが、家族以外の従業員もいるような事業の場合は、「同居の親族」だからといって「労働者にはならない」とは書いていません。

労働者性

他に従業員がいる場合の「同居の親族」が労働者になるかどうかを分ける基準は、労働者性があるかどうかになります。

「同居の親族」に「労働者性」が認められる条件について、S54.4.2基発153号という通達は、以下のように示しています。(抜粋)

□ 業務を行なうにつき、事業主の指揮命令に従っていることが明確であること

□ 就労の実態が当該事業場における他の労働者と同様であり、賃金もこれに応じて支払われていること。

□ 特に、始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇等及び賃金の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期等について、就業規則その他これに準ずるものに定めるところにより、その管理が他の労働者と同様になされていること

ただし、こうした場合の事情はさまざまですから、この通達の要件だけでなく、諸般の事情を考慮して、ケースバイケースで労働者性が判断されることになります。

家事使用人とは

家事に従事するために雇用された人です。住み込みまたは通いのお手伝いさんのような人です。

ただし、家政婦派遣や家事代行の会社に雇われて、その会社の指示を受けて、家事を代行する場合は、その会社に雇用された労働者として、労働基準法が適用されます。

社会保険等への加入

家族従業員であっても、いわゆる労働者性があれば社会保険及び雇用保険の被保険者になり、労災保険の給付対象にする事ができます。詳しくは次のページで解説します。

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