カテゴリー
ハラスメント

ハラスメントの事後措置

Last Updated on 2023年10月14日 by

ハラスメントの種類

ハラスメントとは、嫌がらせをして相手に不快感を与える行為のことをいいます。職場における代表的なハラスメントは、セクハラ、パワハラに、マタハラです。

男女雇用機会均等法第11条は会社のセクハラ防止措置の義務化等を定めています。労働施策総合推進法第30条の2はパワハラ防止措置の義務化等を定めています。男女雇用機会均等法第11条の3、育児介護休業法第25はマタハラ防止措置の義務化等を定めています。

セクハラに対する会社の対応

パワハラに対する会社の対応

マタハラに対する会社の対応

事実認定後の措置

このページでは、ハラスメントの事実認定後の措置について解説します。

前のページ:

調査の結果、ハラスメントに該当しないと認定した場合と、ハラスメントに該当すると認定した場合は事後措置の内容が大きく異なります。

ハラスメントに該当しない

事実認定の結果、相談者の主張するようなハラスメント行為が確認できなかった場合、相談者の主張する行為があったことは確認できたがハラスメントと評価できない場合には、相談者との話し合うことになります。

その場合、行為があったことが確認できなかった、又は行為はあったことは確認したが、ハラスメントの定義等と照らし合わせた結果、その行為をハラスメントとは評価できなかった旨を相談者に伝えることになりますが、容易に納得を得られることはないでしょう。

納得してもらうために、関係者の証言とそれに基づく判断の内容をある程度詳細に伝えなければならないと思われますが、詳細な内容、特に証言者の氏名等は、この段階では秘匿しなければならないでしょう。

相談者には、社内調査には自ずと限界があることを伝えて、さらに追及する意志がある場合には、労働局雇用均等室などの外部機関や、個別労働紛争解決制度であるあっせん等の手続きについても説明しましょう。

また、後日、調査では判明していなかった新証拠・新証言などが出てきた場合には、再調査を検討する旨も説明しましょう。

ハラスメントに該当する

事実認定の結果、相談者の主張するハラスメント行為が一部でも認められた場合には、行為者(加害者)にどのような措置をするか検討しなければなりません。

懲戒処分

ハラスメント行為があったことが認定された場合は、よほど軽微なものでないかぎり、就業規則の懲戒処分事由に該当することになるので、懲戒処分を検討しなければなりません。

懲戒処分の種類は、けん責・戒告、減給、出勤停止、懲戒解雇などがありますが、行為と処分内容にバランスが必要です。例えば、会社が懲戒解雇処分にしても、裁判になったときに懲戒処分をするほどのものでないと認定されれば解雇は無効になってしまいます。その懲戒処分を科すかの判断は、極めて難しいので慎重な検討を要します。弁護士等の専門家に相談することも考えましょう。

また、懲戒処分を決定する手続きも重要です。例えば、明らかに懲戒処分事由に該当する行為であっても、対象者に弁明の機会を与えないと無効になるおそれがあります。

懲戒処分をするときの注意点

配置転換

状況によっては人事上の措置として配置転換をすることも考慮します。

基本的には、加害者の配置転換を行うべきであり、被害者の配置転換を行うには、被害者の希望あるいは真の同意があるなどかなり特殊な場合に限られると考えられます。

再発防止に向けた措置

措置を決定して一件については終了しますが、当事者の間にわだかまりが残る場合が多く、また職場環境の問題などが未解決のまま残ることもあります。再発防止に向けてフォローをする必要があります。

再発防止策の計画と実施

再発防止策として、当該の事例をふまえての研修の実施、会社からのメッセージ発信などが考えられます。


会社事務入門ハラスメント対策の留意点>このページ