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労働時間等設定改善委員会

Last Updated on 2023年3月5日 by

労働時間等設定改善委員会とは

労動時間等設定改善委員会については、労働時間等の設定の改善に関する特別措置法(労働時間等設定改善法)に定めがあります。

労働時間等設定改善法第6条
事業主は、事業主を代表する者及び当該事業主の雇用する労働者を代表する者を構成員とし、労働時間等の設定の改善を図るための措置その他労働時間等の設定の改善に関する事項を調査審議し、事業主に対し意見を述べることを目的とする全部の事業場を通じて一の又は事業場ごとの委員会を設置する等労働時間等の設定の改善を効果的に実施するために必要な体制の整備に努めなければならない。

委員会の設置目的

委員会の設置目的は、労働時間等の設定の改善を図るための措置その他労働時間等の設定の改善に関する事項を調査審議し、事業主に対し意見を述べることです。

労働時間等設定改善委員会で調査審議すべき「労動時間等」には、労動時間の他、休日や年次有給休暇、休憩、育児・介護休業制度、短時間勤務制度等が含まれます。

委員会の設置は、労働時間等の設定の改善を効果的に実施するための体制整備の一つで、事業主の努力義務です。

委員会の構成員

委員会は、事業主を代表する者及び当該事業主の雇用する労働者を代表する者で構成します。

この委員会を、労使協定に代替できる委員会にするためには後述する要件を満たさなければなりませんが、労使協定に代替することにこだわらず、労働時間等について労使が話し合う場を設置することを目的にするのであれば、要件にこだわらず構成等を任意に設定することができます。

労使協定に代替する場合の要件

要件を満たす労動時間等設定改善委員会を設置した場合、その委員の5分の4以上の多数による決議により、労働基準法に定める各労使協定に代替することができます。

要件は次の通りです。

1.委員の半数が、労働者の過半数で組織する労働組合または労働者の過半数を代表する者の推薦に基づき指名されていること

2.過半数代表者は、管理監督者以外の者で、かつ、委員会の委員を推薦する者を選出することを明らかにして実施される投票、挙手等の方法により選出された者であること

3.委員会の議事について、開催の都度議事録が作成され、3年間保存されること

4.委員の任期、委員会の招集、定足数、議事等を内容とする委員会の運営規程が定められていること。

関連記事:労働時間等設定改善委員会規程のサンプル

なお、この労働時間等設定改善法に定められている「委員会」は、労働基準法第38条の4に定められている「委員会」と似ていますが異なるものです。

代替できる労使協定

① 1か月単位の変形労働時間制(労基法32条の2)
② フレックスタイム制(同法第32条の3)
③ 1年単位の変形労働時間制(同法第32条の4第1項)
④ 1週間単位の非定型的変形労働時間制(同法第32条の5第1項)
⑤ 一斉休憩の原則の例外(同法第34条2項ただし書)
⑥ 時間外労働と休日労働(同法第36条1項)
⑦ 代替休暇(同法第37条3項)
⑧ 事業場外労働に関するみなし労働時間制(同法第38条の2第2項)
⑨ 専門業務型裁量労働制(同法第38条の3第1項)
⑩ 時間単位年休(同法39条4項)
⑪ 年休の計画的付与(同法第39条第5項)

このうち、①③④の変形労働時間制、⑧の事業場外労働、⑨の専門業務型裁量労働制については、労働時間等設定改善委員会での決議が行われれば、所轄労働基準監督署長への労使協定届出が免除されます。

労働時間等設定改善企業委員会

労働時間等設定改善委員会のうち、全部の事業場を通じて1つの委員会(労働時間等設定改善企業委員会)としている場合であって、一定の要件に当てはまる場合、その委員会の決議は以下の労使協定に代えられます。

・代替休暇に関する労使協定
・年次有給休暇の時間単位年休に関する労使協定
・年次有給休暇の計画的付与に関する労使協定

労働時間等設定改善企業委員会の決議が労使協定に代えられる要件は以下の通りです。

全部の事業場を通じて一つの委員会の委員の半数については、当該全部の事業場を通じて、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者の推薦に基づき指名されていること。

全部の事業場を通じて一つの委員会の議事について、厚生労働省令で定めるところにより、議事録が作成され、かつ、保存されていること。その他、厚生労働省令で定める要件を満たすこと。

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