カテゴリー
賃金

家族手当について

Last Updated on 2021年7月28日 by

家族手当とは

家族手当は、福利厚生的な手当の一つです。

家族手当の対象者と支給額

家族手当は、一般的には扶養家族である妻、子供に対して、1人いくらと決めて支給されます。扶養手当ともいいます。

どの家族を支給対象にするかは、それぞれの会社の規程によります。独自に支給対象範囲を決める会社もあれば、健康保険の被扶養者の基準と同じにする会社もあります。
健康保険の被扶養者

また、税法上の配偶者控除・扶養控除を基準とする会社もあります。

就業規則規定例

支給する場合は、就業規則または賃金規程にその内容を定めます。
家族手当|就業規則

給与計算における扱い

家族手当は、所得税では非課税ではありません。「給与所得」の一部として源泉徴収税の対象になります。

家族手当は、社会保険料の計算における標準報酬月額の対象になる賃金等に含まれます。また、家族手当は、労働保険料の計算における賃金総額に含まれます。

家族手当は、割増賃金の基礎に含めなくても構いません。

ただし、扶養する家族の人数に関係なく一律に支払うことになっている場合は、家族手当や扶養手当などという名称を使っていても、基本給とともに、割増賃金の基礎にしなければなりません。

家族手当についての考え方

家族手当は、本人の貢献度や職務の内容などと関係なく、扶養する家族があるかどうかで支払われます。家庭を持てばいろいろと金がかかるだろうということで、生活費補完という意味合いで支給されてきたのですが、独身者とのアンバランスなどが問題にされるようになってきています。

家族手当そのものを廃止する会社もでてきており、見直しをして、配偶者に対する手当を廃止する動きもあります。人件費の削減のために、見返りがなく家族手当を廃止、縮小してしまえば、「労働条件の不利益変更」に抵触すると考えられます。

家族手当を見直す代わりに基本給を上げたり、配偶者に対する手当は廃止するが、子女教育手当の増額するなどの措置をとるのであれば、部分的に不利益になることであっても、改正することに合理性があるとされ認められると考えられます。

会社事務入門賃金・給与・報酬の基礎知識基本給に加えて支給される手当について>このページ