懲戒解雇をするときの注意点

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懲戒解雇とは

懲戒解雇とは、重大な規律違反をした従業員に対する処分です。懲戒処分の中でも最も重い処分です。辞めさせればよい、という結論ありきではなく、できるならば解雇せずにやっていけないか、他の選択肢はないのか、十分検討するべきです。

懲戒解雇をするためには

懲戒解雇するには、他の懲戒処分と同様に、就業規則にもとづく処分であること、公正に調査し、本人弁明の機会を与えるなどいろいろな条件があります。

懲戒処分をする前に知っておくべきこと

解雇はケースバイケースです。裁判例などを読んでこれは勝てる勝てないと簡単に予測がつくものではありません。個別の事情で判断されています。特に慎重に対応する必要があります。

就業規則の規定

どういうことをすれば懲戒処分の対象になるか、その内容を、就業規則に具体的に列記しなければなりません。

就業規則記載例
(懲戒解雇処分)
第〇条 従業員が次のいずれかに該当するときは、懲戒解雇とする。この場合において、行政官庁の認定を受けたときは、解雇予告は行わない。ただし、平素の服務態度その他情状によっては、普通解雇又は減給若しくは出勤停止とすることがある。
(1) 重要な経歴を詐称して雇用されたとき
(2) 正当な理由なく、無断欠勤○日以上に及び、出勤の督促に応じなかったとき
(3) 正当な理由なく無断でしばしば遅刻、早退又は欠勤を繰り返し、○回にわたって注意を受けても改めなかったとき
(4) 正当な理由なく、しばしば業務上の指示・命令に従わなかったとき
(5) 故意又は重大な過失により会社に重大な損害を与えたとき
(6) 会社内において刑法その他刑罰法規の各規定に違反する行為を行い、その犯罪事実が明らかとなったとき(当該行為が軽微な違反である場合を除く。)
(7) 素行不良で著しく会社内の秩序又は風紀を乱したとき
(8) 数回にわたり懲戒を受けたにもかかわらず、なお、勤務態度等に関し、改善の見込みがないと認められたとき
(9) 相手方の望まない性的言動により、円滑な職務遂行を妨げたり、職場の環境を悪化させ、又はその性的言動に対する相手方の対応によって、一定の不利益を与えるような行為を行ったとき
(10) 許可なく職務以外の目的で会社の施設、物品等を使用したとき
(11) 職務上の地位を利用して私利を図り、又は取引先等より不当な金品を受け、若しくは求め、又は供応を受けたとき
(12) 私生活上の非違行為や会社に対する誹謗中傷等によって会社の名誉信用を傷つけ、業務に重大な悪影響を及ぼすような行為があったとき
(13) 会社の業務上重要な秘密を外部に漏洩して会社に損害を与え、又は業務の正常な運営を阻害したとき
(14) その他前各号に準ずる程度の不適切な行為があったとき

このように、できるだけ具体的に記述しなければなりません。

解雇できない場合があります

労災で治療中の人や産前産後休業中の人はその休業期間と休業が終わってから30日間は解雇が認められません。この期間にある人に対しては、解雇するべき十分な理由があっても解雇できません。文字通り、解雇ができないのです。

労働基準法の解雇禁止条文の解説

解雇予告について

従業員を解雇しようとする場合、少なくとも30日前に予告しなければなりません。30日前の予告をしない場合、不足日数に対する平均賃金を支払わなければなりません。

懲戒解雇であっても、解雇予告または解雇予告手当の支払は必要です。例外として労働基準監督署長の認定を受けた場合は予告義務が除外されます。

解雇予告と解雇予告手当

証明書の発行

解雇された従業員は退職日までに、解雇の理由についての証明書を請求できます。これを一般に「解雇理由証明書」といいます。

解雇理由証明書について

また、解雇理由証明書の他に、従業員が、在職中の契約内容等について証明書の交付を請求したときは、いわゆる「退職証明書」を交付しなければなりません。労働者は退職証明書に解雇理由の記載を求めることができます。解雇理由が記載された退職証明書は、解雇理由証明書と同等です。

退職証明書について

金品の返還と規制旅費

7日以内に残余の賃金の支払いをし、その他返還すべき金品を返還しなければなりません。

満18歳に満たない者を解雇した場合には、帰郷のための旅費を支給しなければなりません。