男女雇用機会均等法とは
正式名称を「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律」といいます。
男女雇用機会均等法とは、雇用の分野における男女の均等な機会および待遇の確保を図ることなどを目的とした法律です。
男女雇用機会均等法では、主に性別を理由とする差別の禁止、
セクシュアルハラスメントとマタニティハラスメントの防止措置
についてのルールを定めています。
男女雇用機会均等法が求めていること
採用のときに「性別」を理由に選んではいけない!
第5条 事業主は、労働者の募集及び採用について、その性別にかかわりなく均等な機会を与えなければならない。
【第5条】募集・採用における性別にかかわりない均等な機会
どんなことが禁止されている?
募集及び採用について性差別の禁止を規定しています。
たとえば…
面接で「女性は外回りが大変だから」と不採用に。→ これは明確に違法です。職務の内容と能力で判断すべきです。
配置・昇進・教育の機会も平等に!
【第6条】配置・昇進・教育訓練等における性差別の禁止
禁止されている例
事業主は、次に掲げる事項について、労働者の性別を理由として、差別的取扱いをしてはならない。
1.労働者の配置(業務の配分及び権限の付与を含む。)、昇進、降格及び教育訓練
2.住宅資金の貸付けその他これに準ずる福利厚生の措置
3.労働者の職種及び雇用形態の変更
4.退職の勧奨、定年及び解雇並びに労働契約の更新
たとえば…
同じ評価だったのに、女性社員だけ役職に就けなかったなどが違法な差別とされる可能性があります。
妊娠・出産・育児を理由に不利益な扱いをしてはいけない
【第9条】妊娠・出産等を理由とする不利益取扱いの禁止
【第11条の3】育児休業等を理由とする不利益取扱いの禁止(育介法との関係)
具体的には…
婚姻、妊娠、出産等を理由とする不利益取扱いの禁止を定めています。
たとえば…
妊娠を理由に契約を更新しない。育休取得予定者を正当な理由なく別部署へ配置転換する。
セクハラ防止は会社の義務です
【第11条】セクシュアルハラスメントの防止措置義務
【第11条の3】マタニティハラスメントの防止措置義務
会社が取るべき措置
就業規則に禁止規定を明記。相談窓口の設置。
苦情があれば事実調査と再発防止策の実施
たとえば…
上司が部下に「女らしい服装がいいね」と言う。→ 本人が不快に感じていればセクハラと認定される可能性があります。
妊娠中及び出産後の健康管理に留意
【第12条、第13条】妊娠中及び出産後の健康管理
保健指導又は健康診査を受けるために必要な時間等の確保
たとえば…
保健指導又は健康診査を受けるために必要な時間を与える。
保健指導又は健康診査に基づく指導事項に対応して、勤務時間の変更、勤務の軽減等必要な措置を講じる。
間接差別にも要注意
【第7条】間接差別の禁止
性別に直接触れなくても、実質的に差が出る条件はNG
たとえば…
1.労働者の募集、採用において、労働者の身長、体重、体力を要件とすること。
2.コース別管理における「総合職」の労働者の募集、採用にあたって、転居を伴う転勤に応じられることを 要件とすること。
3.労働者の昇進にあたり、転勤の経験があることを要件とすること。
積極的に「女性の活躍」を進める取り組みはOK
【第8条】ポジティブ・アクション
格差を是正するための「一時的な優遇」は認められます
たとえば…
女性管理職を増やすため、女性社員向けリーダー研修を開催→ 問題なし。不平等是正のための措置として合法です。
その他
【第13条の2】男女雇用機会均等推進者の設置
【第15条】苦情処理機関の設置
【第17条】紛争の解決の援助
【第18条〜第27条】調停の制度






