Last Updated on 2023年11月2日 by 勝
男女雇用機会均等法とは
男女雇用機会均等法とは、雇用の分野における男女の均等な機会および待遇の確保を図ることなどを目的とした法律です。
男女雇用機会均等法では、主に性別を理由とする差別の禁止、
セクシュアルハラスメントとマタニティハラスメントの防止措置
についてのルールを定めています。
正式名称を「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律」といいます。
第1条 この法律は、法の下の平等を保障する日本国憲法の理念にのつとり雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保を図るとともに、女性労働者の就業に関して妊娠中及び出産後の健康の確保を図る等の措置を推進することを目的とする。
募集採用についての性差別の禁止
募集及び採用について性差別の禁止を規定しています。
第5条 事業主は、労働者の募集及び採用について、その性別にかかわりなく均等な機会を与えなければならない。
採用後の性差別の禁止
性別を理由とする差別的取扱いの禁止事項を列記しています。
第6条 事業主は、次に掲げる事項について、労働者の性別を理由として、差別的取扱いをしてはならない。
一 労働者の配置(業務の配分及び権限の付与を含む。)、昇進、降格及び教育訓練
二 住宅資金の貸付けその他これに準ずる福利厚生の措置であつて厚生労働省令で定めるもの
三 労働者の職種及び雇用形態の変更
四 退職の勧奨、定年及び解雇並びに労働契約の更新
実質的な性差別の禁止
募集及び採用等で、性別以外の事由を要件とするもののうち、実質的に性別を理由とする差別となるおそれがある措置について、原則禁止しています。(間接差別の禁止)
第7条 事業主は、募集及び採用並びに前条各号に掲げる事項に関する措置であつて労働者の性別以外の事由を要件とするもののうち、措置の要件を満たす男性及び女性の比率その他の事情を勘案して実質的に性別を理由とする差別となるおそれがある措置として厚生労働省令で定めるものについては、当該措置の対象となる業務の性質に照らして当該措置の実施が当該業務の遂行上特に必要である場合、事業の運営の状況に照らして当該措置の実施が雇用管理上特に必要である場合その他の合理的な理由がある場合でなければ、これを講じてはならない。
間接差別の例
1.労働者の募集、採用において、労働者の身長、体重、体力を要件とすること。
2.コース別管理における「総合職」の労働者の募集、採用にあたって、転居を伴う転勤に応じられることを 要件とすること。
3.労働者の昇進にあたり、転勤の経験があることを要件とすること。
婚姻妊娠出産を理由とする不利益取扱いの禁止
婚姻、妊娠、出産等を理由とする不利益取扱いの禁止を定めています。
第9条 事業主は、女性労働者が婚姻し、妊娠し、又は出産したことを退職理由として予定する定めをしてはならない。
2 事業主は、女性労働者が婚姻したことを理由として、解雇してはならない。
3 事業主は、その雇用する女性労働者が妊娠したこと、出産したこと、労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第六十五条第一項の規定による休業を請求し、又は同項若しくは同条第二項の規定による休業をしたことその他の妊娠又は出産に関する事由であつて厚生労働省令で定めるものを理由として、当該女性労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。
4 妊娠中の女性労働者及び出産後一年を経過しない女性労働者に対してなされた解雇は、無効とする。ただし、事業主が当該解雇が前項に規定する事由を理由とする解雇でないことを証明したときは、この限りでない。
性的な言動に起因する問題に関する雇用管理上の措置等
第11条 事業主は、職場において行われる性的な言動に対するその雇用する労働者の対応により当該労働者がその労働条件につき不利益を受け、又は当該性的な言動により当該労働者の就業環境が害されることのないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。
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職場における妊娠、出産等に関する言動に起因する問題に関する雇用管理上の措置等
第十一条の三 事業主は、職場において行われるその雇用する女性労働者に対する当該女性労働者が妊娠したこと、出産したこと、労働基準法第六十五条第一項の規定による休業を請求し、又は同項若しくは同条第二項の規定による休業をしたことその他の妊娠又は出産に関する事由であつて厚生労働省令で定めるものに関する言動により当該女性労働者の就業環境が害されることのないよう、当該女性労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。
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妊娠中及び出産後の健康管理に関する措置
保健指導又は健康診査を受けるために必要な時間を確保し、保健指導又は健康診査に基づく指導事項に対応して、勤務時間の変更、勤務の軽減等必要な措置を講じなければなりません。(第12条、第13条)
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男女雇用機会均等推進者
男女雇用機会均等推進者を設置する努力義務があります。(第13条の2)
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苦情処理機関の設置
労働者の代表者を交えた苦情処理機関を設置することを求めています。(努力義務)
(苦情の自主的解決)
第15条 事業主は、第六条、第七条、第九条、第十二条及び第十三条第一項に定める事項(労働者の募集及び採用に係るものを除く。)に関し、労働者から苦情の申出を受けたときは、苦情処理機関(事業主を代表する者及び当該事業場の労働者を代表する者を構成員とする当該事業場の労働者の苦情を処理するための機関をいう。)に対し当該苦情の処理をゆだねる等その自主的な解決を図るように努めなければならない。
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紛争の解決の援助
紛争が生じたときに当道府県労働局長の援助を求めることができます。
第17条 都道府県労働局長は、前条に規定する紛争に関し、当該紛争の当事者の双方又は一方からその解決につき援助を求められた場合には、当該紛争の当事者に対し、必要な助言、指導又は勧告をすることができる。
個別労働紛争解決制度と同様に助言・指導を求めることができます。
調停の制度
都道府県労働局長は、当該紛争の解決のために個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律により設置されている「紛争調整委員会」に調停を行わせます。(第18条〜第27条)
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