出産と育児を支援する諸制度

妊娠・出産を支援する制度

面談等

妊娠出産等の申出に対して制度周知や意向確認をするときの注意点

妊婦検診などの助成

妊婦検診の14回分について市区町村から助成があります。助成額は自治体により異なるので住んでいる市区町村のホームページや窓口で確認しましょう。

産前産後の休業

出産予定の女性は、本人が請求することにより出産予定日の6週間前(多胎妊娠は14週間前)から産前休業を取ることができます。産後休業は8週間です。(労働基準法第65条)

従業員が産前産後休業を申し出たときの手続きと注意点

不利益取扱いの禁止

産前産後の休業期間中及び休業後30日間は、解雇が禁止されています。また、事業主は女性労働者が出産し、又は産前産後休業を取ったこと等を理由に解雇その他の不利益取扱いをすることが禁止されています。(労働基準法第19条、男女雇用機会均等法第9条)

不利益取扱いとは

次のような解雇は法律で禁止されています

出産育児一時金等

出産したときは健康保険から出産育児一時金、雇用保険から出産手当金が支給されます。

出産育児一時金の手続き

出産手当金の手続き

産休中の期間中は健康保険や厚生年金保険の保険料が免除され、免除期間中の保険料は納めたものとして取り扱われます。

子どもが生まれるときの社会保険手続き

育児を支援する制度

子が1歳未満の方が利用できる制度

育児休業制度のあらまし

パパママ育休プラスとは

出生時育児休業(産後パパ育休)制度

子が3歳未満の方が利用できる制度

育児休業を延長できる要件と手続き

育児のための短時間勤務制度

3歳に満たない子を養育する労働者が請求すれば残業を免除してもらえる

3歳に満たない子を養育する労働者がテレワークを選択できる制度(2025年4月施行)

子が3歳になるまでに仕事と育児の両立に関する制度の説明と取得意向を確認するための面談をしなければなりません

子が小学校就学前までの方が利用できる制度

子の看護休暇制度

育児のための時間外労働の制限

育児のための深夜業の制限

小学校就学前の育児支援措置

その他の両立支援措置(努力義務)(法第24条第1項)
事業主は、小学校就学前までの子を養育する従業員について、①フレックスタイム制度、②時差出勤の制度、③事業所内保育施設の設置・運営その他これに準ずる便宜の供与、のいずれかの措置を講ずるよう努めなければなりません。

育児介護する労働者への転勤に関する配慮

3歳以上、小学校就学前の子を養育する労働者が選択できる措置(2025年10月施行)

意向確認等(育休法21条)

妊娠・出産の申出をした労働者に育児休業などの制度を個別に周知し意向確認をする必要があります。

妊娠出産等の申出に対して制度周知や意向確認をするときの注意点

会社が定めている制度の周知(21条の2)

育児休業等に関する定めを周知しなければならない

取得しやすい・復帰しやすい環境の整備(育休法第22条)

育児休業申出等が円滑に行われるようにするための措置

育児休業等の休業の復帰が円滑に行われるようにするための措置

職業家庭両立推進者

公表(育休法第22条の2)

育児休業等の取得状況の公表義務

再雇用の努力義務

事業主は、妊娠、出産、育児を理由として退職した者について、必要に応じ再雇用特別措置等を行うよう努めなければなりません。(育児介護休業法第27条)

育児介護後の再雇用について

ハラスメント対策

マタハラに対する会社の対応

厚生労働省ホームページ「職場におけるハラスメントの防止のために」のページへのリンクです。

育児休業給付金等

育児休業を取得して一定の要件を満たすと育児休業給付金の支給を受けることができます。出生時育児休業も同様です。

育児休業を取得すれば育児休業給付金が支給される

産後パパ育休取得者に出生時育児休業給付金が支給される

夫婦そろって育児休業を取得すれば出生後休業支援給付

育児時短就業給付は子育て中の時短勤務者に支給されます

育休等の期間中は健康保険や厚生年金保険の保険料が免除され、免除期間中の保険料は納めたものとして取り扱われます。

子どもが生まれるときの社会保険手続き

紛争解決の制度

申し出等が円滑に行われるために相談体制の整備が求められています。また、紛争が生じたときは社内の苦情処理機関による自主解決が求められています。

相談窓口の設置と運営

苦情処理委員会の設置と運営

育児介護休業法には「調停」の制度が定められています

育児介護休業法に基づく調停等の制度

労働基準法の妊産婦等保護

妊産婦の就業制限業務

妊産婦を妊娠、出産、哺育などに有害な業務(重量物の取扱いや有害ガスを発散する場所における業務その他)に就かせてはいけません。(労働基準法第64条の3)

妊産婦等の就業制限の業務

簡易作業への転換

妊娠中の女性が請求した場合には、他の軽易な作業に転換させなければいけません。ただし、そのような仕事がない場合はやむを得ないとされています。(労働基準法法第65条第3項)

変形労働時間制の制限

変形労働時間制がとられる場合であっても、妊産婦が請求した場合には、1日及び1週間の法定時間を超えて労働させることはできません。(労働基準法第66条第1項)

いろいろな労働時間制

時間外労働・休日労働・深夜業の制限

妊産婦が請求した場合には、時間外労働、休日労働、又は深夜業をさせることはできません。(労働基準法第66条第2項及び第3項)

女性の労働時間規制

育児時間

生後満1年に達しない生児を育てる女性は、1日2回各々少なくとも30分の育児時間を請求することができます。4時間以内のパートについては、1日1回です。(労働基準法第67条)

育児時間について

女性活躍法・次世代法

女性活躍推進法による一般事業主行動計画

次世代法による一般事業主行動計画

女性活躍促進法は働く女性が活躍できる職場環境を整えることを推進していくための法律であるのに対し、次世代法は子育てしやすい環境の整備を促進するための法律です。

児童手当等

児童手当は、0歳から中学3年生までの子ども(15歳に到達後、最初の3月31日まで)を養育している人に支給される手当です。出生日の次の日から数えて15日以内に住所地の市区町村に申請手続が必要です。基本的には出生届と同時提出です。詳しくはお住まいの市区町村のホームページをご覧ください。

児童扶養手当は、ひとり親家庭等の18歳に到達後最初の3月31日までの子どもを対象に支給される手当です。

規程の整備

法律の改正に対応して就業規則等を改訂しなければなりません。出産と育児に関する会社規程については、特に、労働基準法と育児介護休業法の改正情報に注意しなければなりません。

厚生労働省から規程例が示されているので参考にしましょう。


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